WMSを提供するフレームワークスが、新たなスタートを切った。
東証マザーズの上場廃止を受け、債務超過の解消に向けて大和ハウス工業と大和物流、富士通ビジネスシステムと資本・業務提携により、シナジー効果が得られ、体制も整いつつある。
コアビジネスのWMSの普及・拡大に向け、どのような課題に取り組んでいくのか。渡辺重光社長に、現状と今後の動向について伺った。
<渡辺重光社長>
―フレームワークスの役割とは
会社を立ち上げたころはWMSというアプリケーションをいい品質で提供できていることで、ユーザーの満足を得られていた。現在では、改めて物流に関する課題、改善策を追求していくと、ユーザーからは定性的な「物流コストの低減、生産から消費までのリードタイムの短縮」といった課題がある。では、なぜコスト、時間がかかるのか、などといった問題が、意外と明確に理解されていないように見受けられる。
そこで、アプリケーションだけでなくコンサルティングを通して、経営的な視点から現場オペレーションまでの対策を目に見える形で示し、顧客に着実な効果を証明していくことが大切です。
WMSについて、ここに聞けばわかるとか、ここではいろいろなアイデアを持っているというように、弊社のビジネスが認知されるようになっていくことが必要です。
―上場廃止後の経過は
一方で、会社としては継続性の話ですから、「着実に、確実に」事業が行え、適正な利益も保持しながら成長していくことが基本です。しかし、東証マザーズに上場してから、過度な事業の広がりを求めて人員的なことも含めて、多角化、コストが膨らんだもののその効果があまり得られないまま、債務超過に陥ったわけです。
しかし、これは原因がはっきりとしています。このため、経営改善に向けた道筋が明確だったように思われます。ここをこうすれば利益が出やすいなど、再建に向けた改善対策が明確だった会社だったため、増資をしていただいたと思います。
―大和ハウス工業、大和物流、富士通ビジネスとのシナジー効果は
大和ハウス工業さんとは、現在1件のプロジェクトを一緒に行っています。システム分野を弊社が、土地・建物については大和ハウス工業さんが担当しています。国際物流総合展でも弊社との共同のパンフレットを作成しています。
また、ユーザーへのコンサルの中で、物流センターの統廃合したい場合にはシミュレーションを行い、顧客に判断材料として土地や建物について、中立的な立場でご提案をさせていただく場合もあります。ですから、クライアントに対して、施設、設備、アプリケーションなどを一気通貫で提供できるメニューが揃えられるわけで、シナジー効果が十分得られるわけです。
富士通ビジネスシステムとの資本提携は、全国レベルでのサポート体制と幅広いソリューションを提供されており、その部分を補完していただける企業として申し分ない企業です。さらに、営業面では中堅マーケットで多くのお客様をお持ちで、物流分野でも事業計画を持って進められており、中堅から大手でのレンジで対応できるソリューションを提供したいというニーズに合致しました。
すでに具体的な案件も出てきているし、セミナーの開催、コンサルティング的にITクリニック、物流簡易診断といった啓蒙活動的なことも行って裾野を広げていきたい。
―経営面では
非上場となって新たなスタートを切り、第1四半期が過ぎたわけですが、販管費の低減などで、収益の改善が進み、事業が順調に進んできている。これが実現しつつあるのは既存の顧客の方々の励ましと支えがあったからです。そして、苦難の時期に社員が頑張ってくれたからです。
今、物流のIT化をどのようにするのかが、問われています。コアビジネスであるWMSの価値を感じていただく活動を通じ、実際の効果を顧客に実感していただくことに価値があると思っています。
―今後について
新しいことを考えて取り組んでいきたい、と思っていますが、地に足を着け、着実に、確実に、この一年の活動に取り組み、来期には新しいものを世に送り出せるよう、準備をしているところです。
■問い合わせ
(株)フレームワークス
東京本部/TEL.03-5297-3155
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