東レ(株)は6月18日、廃棄物処理法の「広域認定」を取得し、ナイロン6製ユニフォーム事業でケミカルリサイクルを本格展開すると発表した。日本通運(株)の物流ネットワークを活用して回収、再利用する。
官公庁や民間企業に向け、環境配慮型のユニフォームとして雨衣、防寒衣、作業服などのアイテムを販売、使用後には回収し、ケミカルリサイクルによって原料に戻した後、ナイロン6の製造工程で再利用する。回収量は初年度8000点(5t)、3年後には年間6万点(40t)を目標にする。
リサイクルシステムは、東レのナイロン6を使用して製造したユニフォームに、環境省所管の公益法人・環境生活文化機構交付の「リサイクルマーク」を付けて販売、使用後に日本通運(株)の物流網を活用し、回収するもの。
回収したユニフォームは、東レの名古屋事業場内にある自社設備で原料のカプロラクタムに戻した後、ナイロン6の製造工程で再利用し、さまざまな用途に展開。ケミカルリサイクルによって製造されるナイロン6は、石油由来の通常のナイロン6に比べ、製造にかかるエネルギーは約30%、また、排出される二酸化炭素の量も約30%に抑えられるという。
また、ユニフォームの回収に際し、廃棄物処理法の特例制度である「広域認定」を取得することで、全都道府県から製品を回収することが可能となった。