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ライフサイエンス&ヘルスケア業界/物流の未来予想

2017年06月29日/調査・統計

DHLサプライチェーンは6月29日、高度なサプライチェーンこそがライフサイエンス業界に変革を促す役割を果たし、高まる費用効率化への需要に応えることができると主張した最新報告書を発表した。

<ライフサイエンス&ヘルスケア業界の物流の未来予想図>
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DHLの最新報告書「ライフサイエンス&ヘルスケア業界の物流の未来」では、業界の主要動向を取り上げ、患者中心の医療の広がりにより、これまで以上に複雑なサプライチェーンに対し、高い応答性と費用効率を実現するサプライチェーン・ソリューションが求められていることを指摘している。また、この報告書は、高度なサプライチェーンへの資金調達より早く需要が増加する中、企業がさらなる成長に向けて活用可能な6つの技術トレンドを紹介している。

6つの技術トレンドとはビッグデータ、オンデマンド医療、ロボティクス、自動化技術、拡張現実(AR)、付加製造。

高度なデータ分析(ビッグデータ)- 医療に関わる全関係者を繋ぎ、データを統合することで、企業は適切な情報に基づいて業務管理に関わる意思決定を行えるようになり、ロジスティクスとサプライチェーンに関してより精度の高い需要予測、コスト削減および効率化が可能となる。

また、モノのインターネット(IoT)を活用した技術は、サプライチェーン全体を繋ぎ、可視化することで在庫管理を強化し、ロス・ムダの削減を実現する。

現物とデータを結び付けることで、企業が頭を悩ませている絶えない盗難や偽造問題などにも対処できる。

メーカー各社は、オンライン医療や在宅医療の需要の高まりを受け、オンデマンド医療(オンデマンド配送)のサービスモデルの構築を進めている。

オンライン医薬品市場が2023年までに1280億米ドルまで成長すると予測される中、配送チャネルも消費者直送へと変化し、地場配送にはスピードと柔軟性が求められている。

報告書では、企業が今後サプライチェーンの下流までを担い、医療機器部品から手術用キットまでさまざまな商品をオンデマンドで病院へ配送する時代が到来すると予測している。

需要の高まりと費用抑制に対して、この業界のサプライチェーンはスピードと精度を追求すべくロボティクスと自動化技術を取り入れ、今後ますます自動化の方向へ進むことが予想される。

ロボットや自動運転技術は、庫内ピッキングや仕分け、実験用サンプルの解析等の定型業務に要する労働力を削減する。さらに、ドローン(UAV)の活用により、遠隔地へより迅速に低コストで配送することが可能となる。

拡張現実(AR)も効率化のために有効。情報の見せ方を変えることにより、庫内ラックから正しく商品をピッキングする、医療現場のスタッフが患者情報を一目で確認できるようにする等、さまざまな状況でサプライチェーン業務の精度および効率が向上する。

さらに、付加製造といった最新技術と3Dプリンタを駆使することで、医療機器や医薬品を個人に合わせてオンデマンドで製造することも可能となる。この技術は、使用場所近辺で製造されること、すなわち製造ネットワークの分散化を意味し、治療方法およびサプライチェーンを大きく変える。

なお、「ライフサイエンス&ヘルスケア業界の物流の未来」報告書では、ライフサイエンス&ヘルスケア業界のサプライチェーンにおける最新技術トレンドの適用性を具体的な事例や実証実験実施の検討事項と合わせて紹介している。

■報告書
http://www.dhl.com/futurelsh

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