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ワコン/IoT技術活用で定温輸送実現、医薬品輸送管理システム開発

2017年06月21日/IT・機器

物流・梱包サービスのワコンは6月21日、スマートフォンを使って簡単に医薬品輸送時の温度管理ができる、IoT技術を活用したクラウド型のシステム「TempJohn(テンプジョン)」を開発したと発表した。

<TempJohnの仕組みと活用のメリット>
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<複数のロガーをクラウド上で一括管理>
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<スマホ操作で記録の読み取りとクラウドへの送信が可能>
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<箱を開けずにブルートゥースで温度ロガーに接続>
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国際的な医薬品の適正流通基準で、近く日本版の導入を控える「Good Distribution Practice(GDP)」に対応できるサービスとして、6月21日から、製薬会社や医薬品卸会社、運送会社などに販売開始する。

販売価格は初期費用が税抜20万円で、月額利用料は1万2000円から。

「TempJohn」は、Bluetooth通信に対応した手のひらサイズ(縦6.3cm、横3cm、厚さ1.3cm)の温度計測器(温度ロガー)を保冷ボックス内に取り付け、スマホでデータを読み取り温度管理する、クラウド型のシステム。

利用は、医薬品が入った保冷ボックスの中に温度ロガーを入れるだけ。各地点で、保冷ボックスにスマホ(iOS端末)をかざすだけで、箱を開けずに中の温度記録を読み込む。

読み取った温度記録は数十秒程度でクラウドサーバーに保存され、かつ温度や湿度をグラフや表などにデータ化する。管理者はインターネット環境があればどこからでも詳細を閲覧できる。

箱の中の温度が、あらかじめ設定した一定温度から逸脱すると、アラーム通知がメールで届く危機管理システムも搭載している。

これまで、温度記録を回収するには、輸送箱を開けて温度ロガーを取り出さなければならず、温度が急上昇してしまいました。流通経路は「製薬原料会社→製薬会社→医薬品卸会社→病院、調剤薬局」と複数を介す場合が多く、中間地点で温度を確認することができなかった。

<説明する西田耕平社長>
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西田耕平社長は「ワコンの事業目的は物流を良くすること。梱包資材の開発はその手段だ。2019年までにGDPの基準がガイドライン化される予定だが、このTempJohnは輸送途中で適正温度から温度逸脱した輸送箱を早期に発見し、回収するなどの対策を行える。調べた限りでは、ブルートゥースとクラウドを利用しての温度・湿度管理システム開発は国内、海外通じて初となる。温度・湿度にプラスして、衝撃・照度にも対応のシステムも既に開発を進めている」と述べた。

なお、システム名称を付けるにあたって当初から人の名前を付けたかったことから、英語圏で太郎を意味するJohnを付けて、温度太郎、「TempJohn」にしたという。

■TempJohn
http://thermobox-gdp.com/product-list/tempjohn.php

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