シーイーシーと古野電気は3月29日、共同で開発したETC利用クラウド型車両認識システム「CaoThrough」をベースとした物流最適化ソリューションが、東京港大井コンテナ埠頭に採用され、トライアル運用を開始したと発表した。
東京港では、各ターミナルゲート前に並ぶコンテナ車両によって周辺道路で日々交通渋滞が発生しているが、周辺道路の渋滞緩和のために、大井コンテナ埠頭に車両待機場を開設してコンテナ車両を一旦収容した上で、車両の流入状況に応じてコンテナ車両をターミナルに順次送り出すショットガンシステムをトライアル運用する。
採用されたシステムでは、車両の認識にETC車載器とETC路側装置間の通信を、ドライバーの認識には事前配布された専用のドライバーズカードをそれぞれ活用し、車両の動勢(状況)把握や誘導をおこなう。
車両待機場/コンテナターミナル双方にETC路側装置を設置することで、埠頭全体の待機車両台数や待ち時間を把握し、専用Webページを通じて「見える化」し、ターミナル周辺道路の渋滞緩和だけでなく、ドライバーの負荷低減や配車の効率化などへの期待が寄せられている。
今後、両社は、港湾物流市場での車両・人・物の統合管理を対象に、車両待機場・コンテナターミナル内の計画値検証や配員検討のためのシミュレーションサービス、GPS/ETC2.0をはじめとするセンサー技術を活用した動態管理を行う。
各種データ連携とビッグデータ解析による事前予測、予約システムの提供など、様々な切り口で先端のICT技術を用いた港湾物流の最適化サービスを目指す。
システムの導入効果として、コンテナターミナルの周辺道路の渋滞解消、トラッカーの労働環境改善への寄与・運転負荷軽減、環境負荷の低減、各種状況の可視化と運用の効率化を見込んでいる。
東京港埠頭、営業本部営業企画担当部長の藤浪洋司氏は「CaoThroughサービスをベースとしたシステムが順調に稼働することで、ターミナル周辺道路の渋滞が解消され、今後、CaoThroughサービスが目指す発展型にて、広く物流業界に貢献して貰えることを期待している」とコメントしている。
■CaoThrough
http://www.cec-ltd.co.jp/solutions/caothrough/