レッドウッドからESRに社名変更して4か月。2016年2月にe-Shang(イーシャン)との経営統合を発表して1年が経つ。
最近では、大阪南港、藤井寺で先進的大型物流施設を竣工し、市川でも巨大な物流施設開発を発表したばかりだ。
レッドウッドからESRになって何が変化し何が変わらなかったのか、そしてESRのこれからの展開をスチュアート・ギブソンCEOに語ってもらった。
経営統合で大きなシナジー効果
―― イーシャンとの経営統合の経緯から。
ギブソン 元々、イーシャンは中国市場で競合相手でした。そのイーシャンにはプロロジスやGLPの元社員もおり、我々もプロロジス出身の社員がいることから、競合するより協力しあえればとは思っていました。2年ほど前に、イーシャンの最大の株主であるニューヨークのウォーバーグ・ピンカスから経営統合の話がありました。常日頃、ビジネスにはスケール感が重要だと感じていましたので、この話に応えたわけです。
―― スケール感をアップしてシナジー効果が生まれると。
ギブソン そうです。例えば、イーシャン側からは、中国企業で日本に進出したい企業との付き合いも深く、その逆にレッドウッド側からは中国に進出したい日本企業と密接な関係を持っています。経営統合により両国の企業にその橋渡しができれば大きなシナジー効果が生まれるものと考えたわけです。
―― 具体的なシナジー効果とは。
ギブソン レッドウッドは中国でもビジネスを展開していますが、経営統合により、さまざまなコストが大幅に削減することができます。また、中国事情に詳しいイーシャンとの経営統合でさまざまな情報の獲得も容易になります。さらに、イーシャンは1社のみの投資家の資金を運用していましたが、レッドウッドは多くの投資家の資金をお預かりしており、キャピタルマーケットに強みを持っています。イーシャンの投資案件に、さまざまな投資家を提供することも可能になりました。
―― スケール感を数字で示すと。
ギブソン この10年間で総額3000億円の資産の運用実績を持ち、日本、シンガポール、中国を拠点に不動産、建築、物流、金融の各分野で経験と知識豊富な250名のスタッフを抱えています。また、イーシャンレッドウッドは日本、中国、韓国で600万m2以上の物流施設を開発・所有・運営し、それらを資産とするファンド運用も行う、物流不動産会社となりました。
―― 資金調達力を格段にアップさせたと。
ギブソン そういうことです。それと、もう一つ、新しいロゴマークを見ていただければ分かりますが、赤い色がレッドウッドを表し、薄い青色はイーシャンを表しています。そして、濃い青色は韓国のケンダル・スクエアを表しています。ケンダル・スクエアは韓国でのイーシャンのプラットフォームですが、ここにも元プロロジス出身の社員がおり、まさに日中韓の物流デベロッパーが集結したわけです。
―― 各国での違いは障害にはなりませんか。
ギブソン 確かに、開発物件については、各国ごとに異なります。例えば、中国だと平屋建てが中心で、韓国では多くて5階建てくらいまで、そして日本では多層階の物件です。今後、中国・韓国でも多層階の物件開発が進むとレッドウッドの持つ多層階建築のための高い技術力を中国・韓国にも導入することができます。
―― レッドウッドブランドの今後の展開は。
ギブソン 現在、既存の物件、開発中の物件はレッドウッドブランドで行っていますが、将来的にはESRブランドに統一していくつもりです。今のところ、ファンド名が「レッドウッド・ジャパン・ロジスティクス・ファンド」ですから、レッドウッドのブランドは外せないですね。
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