商船三井は2月6日、西日本流体技研とナカシマプロペラが開発し、商船三井テクノトレードが販売するプロペラ装着型省エネ装置PBCF(Propeller Boss Cap Fins)が、バンクーバー港(カナダ)が実施する環境プログラム“EcoAction Program”における水中騒音低減技術に選定されたと発表した。
バンクーバー港の“EcoAction Program”は、環境汚染を低減する設備をもつ入港船について、港費を割り引く制度。2017年1月1日より、PBCFを搭載してバンクーバー港へ寄港する船は、同プログラムのブロンズレベルと認定され、港費の一部であるHarbor Duesが23%減免される。
PBCFは、プロペラのキャビテーション(水中で気泡が発生・消滅していく現象)を減らすことにより水中騒音を低減させ、海中に生息する哺乳類の生態への影響を軽減させる技術として、選定された。
PBCFは1987年の販売開始以来、プロペラ後方に発生するハブ渦を消してプロペラ効率を改善させ、船舶の燃料消費量を3~5%削減できる省エネ装置として、全世界で広く認められ3000隻を超える船舶に搭載されている。
加えて、水中騒音を特定の周波数域で3~6デシベル低減させる効果も水槽試験で確認されており、この点がバンクーバー港に評価され、このたび選定されるに至った。