ヤマト運輸は11月8日、新規格のバン型セミトレーラとバン型フルトレーラを厚木ゲートウェイで公開した。
<右から従来のセミトレーラ、新規格のセミトレーラ、新規格のフルトレーラ>
従来より連結全長が長い新規格のバン型セミトレーラとバン型フルトレーラを厚木ゲートウェイと中部ゲートウェイに各1台ずつ、計4台導入する。
新規格のセミトレーラ・フルトレーラの導入は日本初で、2017年3月末まで実証運転を行い、導入効果を検証したうえで、2017年に稼動開始予定の関西GWへの導入を検討し、幹線輸送のさらなる効率化に取り組んでいくとしている。
新規格のセミトレーラは全長で従来モデルより1m長く、ロールボックスパレットは24本積みが新規格では26本積みとなる。
フルトレーラでは、全長で2.3m長く、ロールボックスパレットは26本積みから32本積みとなり、セミで8%、フルで23%の積載量アップとなる。
2017年3月まで、今回導入した4台で厚木GWと中部GWで1日2往復を想定した試験運用を行う。その後、関西GWへの導入を経て、さらなる拡大を図る予定だ。自動運転も視野に入れているという。
導入の背景は、GW間の多頻度幹線輸送による東名阪の当日便を目指すなかで、幹線輸送のさらなる効率化を実現するために、いすゞ自動車と日本フルハーフとの協力により、従来よりも連結全長が長く、大量に輸送できる新規格のセミトレーラ・フルトレーラを共同開発した。
<新規格のフルトレーラの前で、左からいすゞ自動車の古田氏、ヤマト運輸の福田氏、日本フルハーフの柳井氏>5
導入の背景をヤマト運輸の福田靖ネットワーク戦略部長は「宅急便を開発して40年、2019年には100周年を迎えるヤマトグループは、現在バリューネットワーキング構想を進めている。その一環として2013年に厚木GW、2016年に中部GWの稼動を開始し、2017年には関西GWの稼動開始を予定している。導入の背景は業務の効率化とともに、ドライバーの労働環境の改善も含まれている。ゲート間の往復によるリレー方式で、長距離ドライバーが毎日家に帰れる体制構築を図りたい」と説明した。
いすゞ自動車販売の古田貴信会長は「この新ギガは発売以来市場で好調に推移しており、今回、ヤマト運輸さんの幹線輸送の一助になると考え、ヤマトさん、日本フルハーフさんと3社で開発を進めた。今後も三位一体となって開発を続けていきたい」と述べた。
日本フルハーフの柳井深取締役は、「この車両は現在の法規定の中で、最大・最長の車体となっている。驚いてもらえると思っている。ヤマト運輸さんの合理化・効率化に貢献していきたい」と話した。
なお、ドライバーはけん引免許を持っていれば大丈夫だが、車内規定で5年以上の経験者で無事故・無違反のドライバーを対象にする予定だ。
<ロールボックスパレット>
※ロールボックスパレットは、ヤマト運輸が大型トラックに荷物を積載する際に使用。(縦横:1.04m、高さ:1.7m)