神奈川県藤沢市の次世代都市型スマートシティのFujisawaサスティナブル・スマートタウン(FSST)協議会とヤマトグループは10月25日、FSSTに街全体の総合的な物流インフラとなる「Next Delivery SQUARE(ネクストデリバリースクエア)」を11月1日に開業すると発表した。
<Next Delivery SQUARE(ネクストデリバリースクエア)>
Next Delivery SQUAREは、各宅配会社の荷物をまとめて届る一括配送を全国で初めて戸建て住宅街で実施する。
来年3月にICTを活用したエコでスマートな荷物の受け取りを実現する。
各宅配会社の荷物をまとめるのは、佐川急便と日本郵便とは協議中で、今のところヤマト運輸を含めた計8社の宅配事業者と協業する。
FSSTでの一括配送事業は、10月25日に全国初の改正物流総合効率化法の対象として国土交通省より認定された。
Next Delivery SQUAREはヤマトグループが所有し、従業員は15名を予定している。設置場所はFSSTの街の東側。
「Next Delivery SQUARE」はFSSTがさらに住み良い街、開かれた街へと進化し続けていくために、物流のオンデマンド化や暮らしをトータルでサポートするなど、生活をより便利、快適、安心にするサービスを提供する。
これまで宅配事業者が各々届けしていたFSST内の荷物をヤマト運輸が集約し、一括して届ける。さらに、2017年3月から全ての荷物情報を一本化し、当日のお届け予定情報や不在連絡をFSST内の各住宅に設置されたスマートテレビに配信する。
すでに各住宅にはパナソニックのスマートテレビ、ビエラが据え付けられている。
居住者は、テレビ画面からまとめてお届け日時の変更や受取場所の指定ができるため、それぞれの宅配事業者に連絡し、荷物を別々に受け取る手間や時間が省け、エコでスマートな荷物の受け取りができる。
また、特設サイトの開設も用意されている。特選品のお取り寄せやルームクリーニングなどの快適生活サポートサービス、ネクストデリバリースクエアが開催するイベント情報などを紹介する特設サイトを開設する。
小田原漁港から朝獲の鮮魚を当日に届ける新たなサービスの提供を開始するなど、FSSTのポータルサイトを通じて情報発信し、居住者の便利で豊かな生活を支援するとしている。
パナソニック役員でFSST協議会の井戸正弘代表幹事は「FSSTは現在300の世帯が入居し、2020年までには1000世帯になる。この街のコンセプトは環境、安心・安全目標、くらし起点の新しいサービスの創出、住民、行政、企業の協業の3点。今回の取り組みはくらし起点の新しいサービスの創出につながるもの。この土地はパナソニックの工場として、関東最初のもので歴史のある場所。新しい街づくりとして、世界のスマートタウンのモデルにしていきたい」と話した。
ヤマトホールディングスの山内雅喜社長は「ヤマトグループでは、全社を挙げてバリューネットワーキング構想を進めている。物流を単なる物流とせず付加価値を生み出すものとしてとらえている。Next Delivery SQUAREの開設もその一環。日本の未来に向けて、物流の未来を作っていきたい」と述べた。
今後の展開については、荷物を持ったセールスドライバーが今どこにいておおよそあと何分で配達に来るのかを確認できるシステムの構築や、深夜でも無人で荷物の発送を受け付けることができる実機の導入など、今後も街の住人ひとりひとりのくらし起点で新たなアイデアを創出し、発展を続ける持続可能なスマートタウンに相応しい物流インフラの構築を目指す。
未定としながらも、山内社長は「全国にあるさまざまなスマートシティやタウンが次の対象になる。そういう街は住民の意識面やインフラ面で整っているからだ」とし、井戸役員も「パナソニックのスマートシティは2018年に街開き予定の神奈川県の綱島にもあり、当然そこも対象になってくる」と説明した。
FSSTは先進的な取り組みを進めるパートナー企業と藤沢市の官民一体の共同プロジェクト。2020年完成予定で、面積は約19ha.東京ドーム4個分の広さで、1000世帯が住むスマートタウンとなる。
<Next Delivery SQUAREオープンのテープカット>
■概要
名称:Next Delivery SQUARE(ネクストデリバリースクエア)
所在地:神奈川県藤沢市辻堂元町6-10-10
延床面積:477.07m2(倉庫205.58m2 事務所237.25m2)
構造:鉄筋コンクリート造2階建
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