フレームワークスは9月12日、東京大学大学院情報学環ダイワユビキタス学術研究館で「大和ハウスグループ・フレームワークス物流オープンデータ活用コンテスト」の表彰式を開催し、入賞作を発表した。
多数の応募の中から、最優秀賞に選ばれたのは、神奈川県中小企業協会オープンデータプロジェクトチームによる「先輩!秘密の休憩場所を教えてください!」。
アプリケーションは「先輩たち」のそれまでの運行を記録したビッグデータから、その時その場その状況で最適の休息場所を割り出し、アドバイスする。
運行ルートの経験値の浅いドライバーが、休憩場所探しに時間を割かれたりすることなく、運行業務の効率化・安全性確保を実現できる。
その他、優秀賞には、ウイングアーク物流コンテストプロジェクトチームAの「物流管制センター?ドライバーに易しい長距離輸送の実現?」、ウイングアーク物流コンテストプロジェクトチームBの「LogiZap MotionBoard ?新しいレイバーマネジメントによる人材確保と業務効率化の提案?」、荻野洋平氏の「運転日報、トラック運行チャート情報の2次元/3次元可視化アニメーション」、筑波大学の谷口文太氏、宮永翔大郎氏、前川廣太郎氏、延原肇氏の「視覚障害者による倉庫内ピッキング作業の協調のための進化的ロジスティクス最適化」が選ばれた。
また、審査員特別賞には、岡山大学の石川大夢と乃村研究室の仲間達の「Caribou」、明治大学専門職大学院グローバルビジネス研究科の橋本雅隆氏、二見徹氏、山本緑氏、中三川利菜氏、左向貴代氏の「予約ベースの物流プラットフォーム事業の立ち上げについて」、そして、ルクセンブルク経済省特別賞にウイングアーク1stが選ばれた。
最優秀賞には200万円、優秀賞には50万円、審査員特別賞にはそれぞれ10万円が贈られた。また、ルクセンブルク経済省特別賞は、ルクセンブルク貿易投資事務所の申し出により、急遽設けられたもので、受賞者は11月22日、23日にルクセンブルクで開催するICTイベント「Luxembourg internet-days」に招待される。
審査委員長の坂村健東京大学大学院情報学環教授は「応募作の多くは労力を注ぎ、実際に動くシステムまで作り込まれており、最優秀賞、優秀賞の作品はレベルが高かったと思う。その中で提案性やオープンデータの使い方の観点で、頭一つ抜きん出た「先輩!秘密の休憩場所を教えてください!」が最優秀賞に選ばれた。今回の応募では、200件程度のエントリーがあったが、実際の作品応募では10数パーセント程度にとどまった。今後、エントリー後の作品応募まで進む人が多くなることを期待し、対象を世界にも広げていきたい」と話した。
このコンテストは大和ハウスグループの実際の物流データをオープンデータとして公開し、これを利用して、アプリ開発や研究を競うというユニークなコンテスト。来年以降も継続する予定だ。
結果は9月13日から開催される「国際物流総合展2016」の大和ハウスグループでも展示・紹介する。