ヤマトホールディングスは9月8日、グループが推進する「バリュー・ネットワーキング」構想の下、スピード輸送ネットワークと付加価値機能を一体化させる総合物流ターミナル「中部ゲートウェイ」(中部GW)が竣工した。
敷地面積3.7万m2、6階建て、延床面積6.5万m2の規模で、本格稼働開始は10月1日。
新東名高速道路(伊勢湾岸自動車道)豊田南ICに近く、名古屋港まで約30分、中部国際空港セントレアまで約45分とあらゆる輸送モードに対応できる立地にある。
中部GWが稼働することで、羽田クロノゲート・厚木ゲートウェイ(厚木GW)・中部GW間での多頻度幹線輸送が可能になり、関東・中部間の宅急便の当日配達が可能となる。
入居するグループ会社6社によるマージ、キッティングなどの付加価値機能と24時間稼働の最新鋭マテハン設備、航空便やJITボックスチャーター便などの各輸送モードを連携することで、企業物流に新たなスピードと付加価値を提供していく。
2017年秋には、建設中の関西ゲートウェイが稼働し、東名阪の主要都市間での宅急便の当日配達を実現する。
ヤマトHDの山内雅喜社長は「中部GWはバリューネットワーキング構想を一段先に進める戦略的拠点となる。物流はコストだったが、それを価値を生み出すもの、付加価値を生む手段とした考えがバリューネットワーキング構想。特に、中部エリアは自動車、航空機、繊維製品など日本のモノづくりの中心拠点。時代の変化、顧客の変化に応えていくために、物流からイノベーションを起こしていくつもりだ。期待してほしい」と抱負を述べた。
来賓では、トヨタ自動車の豊田章男社長が「ヤマト運輸とトヨタ自動車とは、1980年の宅配専用車を共同で開発して以来。当時のドライバーは多い時には1日150回も荷物の積み下ろしをしていたと聞いた。そこで、運転席と荷室を立ったまま移動できる車を開発した。ヤマトさんの企業理念に”世のため人のため”があり、社訓として”運送行為は委託者の意思の延長と知るべし”という言葉がある。物理的に物を運ぶだけでなく、人の思いも運ぶということで、素晴らしいことだと感じている。トヨタはモノづくりの会社だが、モノは顧客に届いてこそ初めて役に立つもの。物流の役割は重要で、今後もますますクローズアップされるものだと思う」と挨拶した。
公開された中部GW内部では、クロスベルトソータ、フラットソータ、スパイラルコンベヤ等、羽田クロノゲート同様の最新マテハン機器を導入。バリューネットワーキング構想の6つのエンジン「止めない物流」、「クラウド型のネットワーク」、「シームレスにリンクするクロスボーダー・ネットワーク」、「グローバルに広がるコールドチェーン」、「物流の見える化」、「+デマンドチェーン視点の物流最適化」を実現している。
<1F部分の仕分けエリアに運ぶための前詰め搬送機。ボックスは1台当たり600㎏にもなるため、自動で搬送されるため効率アップとなる>
<竣工式での起動式 左手ブロック、左から運輸労連ヤマト運輸労働組合 森下 明利中央執行委員長、ヤマトホールディングス 神田 晴夫副社長、愛知県 中西 肇副知事、ヤマト運輸 長尾 裕社長、フィブグループ マルタン デュヴェンヌ副社長、右手ブロック、左からフジタ 奥村 洋治社長、ヤマトロジスティクス 本間 耕司社長、豊田市 太田 稔彦市長、トヨタ自動車 豊田 章男社長、ヤマトホールディングス 山内 雅喜社長、日建設計 亀井 忠夫社長>
■中部ゲートウェイ概要
所在地:愛知県豊田市生駒町切戸21-1
延床面積:6万4980m2
敷地面積:3万6996m2
構造:鉄骨造6階建
入居会社:ヤマト運輸、ヤマトグローバルエキスプレス、ヤマトロジスティクス、ヤマトグローバルロジスティクスジャパン、ヤマトフィナンシャル、ヤマトボックスチャーター
立地:中部国際空港セントレアまで約45分、名古屋港まで約30分
新東名高速道路(伊勢湾岸自動車道)まで約5分
その他:環境対応設備・事業継続対応、太陽光発電、非常用発電機、ヤード部分も含めた入退館管理、全館空調、免震構造等
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