アスクルは6月28日、ロボットの知能にあたるソフトウェアを開発するMUJINと、ロボティクス技術開発とeコマースの物流現場へのロボット導入を目的とした業務提携契約を昨年12月に締結し、開発・導入したロボットを公開した。
<KAZUという愛称のロボット、もう一つのロボットはROSEN、愛称は開発者の名前に由来>
<左からMUJINの滝野一征CEO、アスクルの執行役員川村勝宏ECR本部長、岩田彰一郎社長、執行役員池田和幸ECR本部統括部長、MUJINの出杏光魯仙CTO>
今回、ASKUL Logi PARK首都圏に導入されたロボットは、アスクルの物流センター運営ノウハウとMUJINのロボティクス技術を連携させることで、導入することが可能になった。
物流センターでは、飲料、日用品、化粧品など多品種多様な商品を取り扱っており、ピッキング工程に導入されるロボットは、多品種多様な商品の種類を特定し、かつその形状や大きさに合わせた商品ピッキングと、顧客毎のダンボール箱に格納する動作が求められる。
現在、製造業などで導入されている産業用ロボットは、事前に「記録」された動作を「再生」することで作業を行う。
長時間にわたって同じ作業を繰り返すような用途では効果を発揮するが、短期間で作業内容が頻繁に変わるような用途には向いておらず、日常使いのeコマースに対応することは困難だった。
MUJINは、ロボットの動作生成に関して最新のソフトウェア技術のもつテクノロジーカンパニー。MUJINは2つの技術をベースにした個別の動作記録を不要とする画期的なロボティクス技術を持っている。2つの技術とは、高速高精度の画像認識システムと最適な動作計画の生成。
アスクルは今後もMUJINと緊密に連携し、物流センターのピッキング工程の自動化・ロボット化を進めるとともに、拡大するeコマース市場と労働力不足問題への対応に加え、生産性の向上を実現していく。またスタッフとロボットが共存することで、スタッフへの負荷が高い業務をロボットが代替する「人に優しい」物流センターを目指していく。
なお、eコマース市場は順調に成長しており、市場の成長と比例して物流センターの作業量は増加しているが、労働力の確保とともに賃金は上昇傾向にあり対応が必要となっている。とりわけ、物流センターでの商品ピッキング工程はもっとも多くの人員が働いており、自動化が進んでいない工程。同工程へのロボット導入による自動化を進めることが、労働力不足問題への対応と、生産性向上において極めて重要になってきている。
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