川崎汽船は6月6日、東京都町田市の研修所で世界海事大学(World Maritime University)笹川平和財団奨学生21名(14か国)に研修を5月19日に実施したと発表した。
研修所を訪れた奨学生一行は、門野専務(船舶・技術・環境ユニット統括執行役員)によるウエルカムスピーチに続き、川崎汽船の沿革や事業概要、日本での海運の役割や世界の海運業界での日本の位置づけ、海技教育システムについての講義を受けた。
その後、操船シミュレータ、LNG船シミュレータを見学し、講師によるデモに加えて、実際に機器にも触れて体感した。
講演や見学の質疑応答では、奨学生から川崎汽船の事業をはじめ、海運業界に関する鋭い質問や船名の由来など多岐にわたる質問が活発に投げかけられ、広く海運について理解を深めたという。
なお、世界海事大学(WMU)は、国際連合の専門機関である国際海事機関(IMO)により1983年にスウェーデン王国マルメ市に設立された大学院大学で、おもに開発途上国の海事関係者のより高度で専門的な海事知識の習得を目的としている。
日本財団、笹川平和財団(海洋政策研究所)など日本の海事関連団体では、アジア太平洋地域出身学生を主な対象者とする奨学事業の一環として、毎年奨学生を日本に招聘している。日本滞在中には、川崎汽船の研修所での研修・見学会のほか、関係官庁・団体への表敬訪問、海事関連施設、日本文化施設の訪問などを行なった。