フェデックスは5月17日、米国テネシー州メンフィスのフェデックス エクスプレス ワールドハブに、フェデックス・コールドチェーンセンターを開設したと発表した。
7710m2におよぶ施設は、温度に敏感なヘルスケア製品や生鮮品貨物を保温するよう設計し、フェデックスの国際コールドチェーンネットワークとヘルスケアソリューションの提供に必要な役割を担う。
フェデックス・コールドチェーンセンター・メンフィスは、通関保留や荒天候などによって予測できない遅延が生じた場合でも、温度管理を維持するための先進的な機能を提供する。
-25~-10°C(冷凍)、2~8°C(冷蔵)、15~25°C(常温管理)の3種類の温度管理エリア構成とし、ヘルスケア関連製品とその他の生鮮品(特に食品、生花、海産物)に分かれた専用のエリアを持つ。リアルタイムの二酸化炭素、湿度、温度モニタリングが可能。
フェデックスの専任スタッフが24時間体制で現場監視を行い、インターナショナル・ドキュメント・エージェント(IDA)・ステーションを構築している。
輸送中の温度管理要件を維持するために設計されたフェデックスのサーマル・ブランケット・ソリューションを利用した、貨物のパレット積み、ステージング、ハンドリングと解体用エリアを整備する。
さらに、ドライアイスの補充および保冷剤の交換、冷蔵環境(2~8°C)にトレイラーが直接アクセスできるクロスドックステーション、正確な温度管理のための2ドア冷蔵室設計も施している。
このような専門設備はフェデックスの輸送ネットワークでは初となるが、小規模のコールドチェーン施設がフランスのシャルル・ド・ゴール空港、ドイツのケルン・ボン空港、そして関西国際空港に備えられている。
これにより、アジア太平洋地域と米国およびその他の世界各地の間で、重要かつ温度管理が必要な製品を出荷される顧客には、より広い輸送の可能性を提供できる。世界各地で人命を救う製品を完全な状態ですぐに利用できるように保つため、コールドチェーンを必要とするヘルスケア関連事業の売上は、年間1300億ドルに上る。アジア太平洋地域でのヘルスケア関連のコールドチェーン物流は、2020年までに2桁の成長が予想されており、それに伴う形で売上の増加も見込まれている。