川崎重工業、岩谷産業、シェルジャパン、電源開発の4社は4月1日、CO2フリー水素サプライチェーン構築を推進するCO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)を設立し、実証事業をHySTRAに移管し、本格的に活動を開始した。
<CO2フリー水素サプライチェーン構想とHySTRAの技術実証項目>
CO2フリー水素サプライチェーンの構築・商用化に向けて、水素源となる資源からの水素製造、輸送・貯蔵、利用に至るチェーンで必要となる技術確立と実証を目的とし、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の実証事業の実施主体としてHySTRAを設立した。
将来の海外からの商用液化水素チェーン実現を見通すためHySTRAは、「褐炭ガス化技術」のパートと「液化水素の長距離大量輸送技術」および「液化水素荷役技術」の2つのパートで構成され、2020年度までに各パートにおける技術実証と、商用化に向けた課題の抽出を行う。
国内で石炭ガス化複合発電(IGCC)に取り組んでいるJパワーは、これまで蓄積したガス化技術を活かし、「褐炭ガス化技術」の技術実証に主体的に取り組む。
LNG貯槽・受入基地の建設、種子島のロケット射点設備の建設など、極低温機器サプライヤーである川崎重工と、国内唯一の液化水素製造・供給事業者である岩谷産業、LNGのサプライチェーンやLNG船の運航に実績があるロイヤルダッチシェルの日本法人であるシェルジャパンは、共同で液化水素の長距離大量輸送技術と液化水素荷役技術の技術実証を担当する。
■CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)
所在地:東京都港区海岸1-14-5(川崎重工業東京本社内)
組合員:川崎重工業、岩谷産業、シェルジャパン、電源開発
設立日:2016年2月22日