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GROUND/宮田啓友社長 トップインタビュー

2016年02月26日/物流最前線

今が物流プラットフォーム構築を目指す時

GROUND
代表取締役社長
宮田 啓友氏

<宮田啓友社長>
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大手流通業を始めとした数々のロジスティクス・サプライチェーン改革プロジェクトに従事してきた経験をもとに、2015年4月GROUNDを立ち上げた。Intelligent Logisticsによる物流プラットフォームの構築を目指し、その第1歩として自動搬送ロボット「Butler」の展開を図る。宮田社長の起業の経緯と今後の展望を聞いた。

第四次産業革命の始まりに起業

―― 2015年4月に起業です。
宮田 良い時期に起業したと思います。今、私たちは大きな時代のうねりの中にいると思います。実際、現在の経済や物流環境を理解するには、日本だけを見ていても理解できないですし、今後のビジネス設計はできない時代になっています。世界の動き、米国の動きなど、新しいビジネスの動きを見ていくことが必要で、経済モデルがダイナミックに変化し、10数年前のビジネスモデルでは役にたたなくなってきています。

―― 新たな産業革命が始まっていると。
宮田 そう思いますね。第一次産業革命がワットの蒸気機関で軽工業を中心としたイノベーションでした。第二次産業革命は石油や電気による重工業を中心としたもの、そして第三次産業革命はIT革命によるWorld Wide Webの爆発的な発展と定義づければ、ほぼこの時代が30年続いたことになります。そして、今年からが第四次産業革命の編成が始まっていると思います。

―― 第四次産業革命だという裏付けは。
宮田 1997年にIBMのディープブルーがチェスで初めて人間に勝ちました。それから、30年で今度はグーグルリサーチが「AlphaGo」により囲碁で初めて人間に勝ったのです。これは大きな転換点となるもので、シンギュラリティー(Singularity技術的特異点)と呼ばれ、いま話題になっています。今年がその元年にあたり、2045年には様々な面で完全にコンピューターの能力が人間を上回る時期と予測されています。

―― テクノロジーの発展ですか。
宮田 例えばアマゾンを見ていただければわかりますが、物流にあれだけの投資をしており、IT化、ロボット化などのテクノロジーによる効率化は先頭を走っています。世界の先進国はこのテクノロジーの獲得にしのぎを削っています。これが今のトレンドだと思います。AWS(アマゾンウェブサービス)を開発し、莫大な情報を獲得しているのはなぜなのかを考える必要があります。翻って、日本では、今後少子高齢化が進み、生産労働人口自体が2030年には6700万人、2015年の8000万人に比べて1300万人減ることになります。これは東京都全体の人口と同じです。しかも、15歳から64歳までの生産労働人口です。日本では移民政策はとらないでしょうから、産業を維持するためには自動化、AI化、ロボット化が時代の趨勢となり、当たり前の世界になります。これをきちんと見据えて準備を進めていかなければならないことから、会社のスタートにはまさにぴったりの時期だったと思っています。

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