LNEWSは、物流・ロジスティクス・SCM分野の最新ニュースを発信しています。





日立物流/無人搬送車によるピッキングシステム稼働

2015年05月28日/物流施設

日立物流は5月28日、日立製作所が製品化した小型・低床式無人搬送車「Racrew(ラックル)」を活用した新型ピッキング システムを関東地区の物流センターに導入し、本格稼働したと発表した。

<新型ピッキングシステムの全体概要>
20150528hitachib 500x478 - 日立物流/無人搬送車によるピッキングシステム稼働

<ピッキングステーションの様子>
20150528hitachib2 500x282 - 日立物流/無人搬送車によるピッキングシステム稼働

<保管棚>
20150528hitachib3 500x258 - 日立物流/無人搬送車によるピッキングシステム稼働

「Racrew」は、商品保管棚の下に潜り込んで棚を持ち上げ、棚ごと指定したピッキングステーションまで運搬する自動搬送車。

自己位置を認識しながら作業効率を最大化する保管棚の最適配置や搬送順序、ピッキングステーションへの割付け、充電等を自動制御する他、衝突防止や人との接触を事前に回避する安全面の機能も兼ね備えている。

導入した物流センターはadidas Group の商品を取り扱い、従来は作業員がピッキングリストを持ちながら保管棚に商品を取りに行く方式だったが、「Racrew」を導入することでピッキング作業員のもとに保管棚が運搬されてくる「人を歩かせない作業」が可能となった。

今後は作業効率を3倍に向上させ、省力化・省人化を図る計画。また、今回、保管棚への商品補充作業と出荷作業を同時並行で行うといった煩雑になりやすい作業も可能となった。

従来形の自動倉庫は、効率面ではメリットがある反面、導入や撤去の工事期間とコスト、さらには拡張性等の点でデメリットがあった。

一方、人を主体とした作業は、柔軟性やコスト面ではメリットがある反面、生産性の不安定といったデメリットに加え、人件費上昇、将来に向けては作業員の確保に対する懸念も抱えており、その両者を解決する新たな作業方式として採用したもの。今後は同センター内での導入範囲拡大と、全国の物流センターへの導入を計画しているとしている。

なお、日立物流は、スマートロジスティクスによる差異化、オペレーションの刷新を標榜して、日立製作所と新たな物流技術やビジネスモデルに関する共同研究を進めている。2014年度には、開発成果をモデル倉庫で検証し、顧客の物流センターへの適用を図ってきた。「Racrew」もその研究の成果のひとつ。

関連記事

3PL・物流企業に関する最新ニュース

最新ニュース