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運輸安全委員会/JR貨物の江差線事故、コンテナ内の積荷偏積が原因

2014年07月25日/IT・機器

国土交通省運輸安全委員会は7月25日、北海道の江差線泉沢~釜谷駅で2012年4月26日に発生した日本貨物鉄道のコンテナ貨物列車の脱線事故の報告書を公表した。

事故原因は、貨車にコンテナを積載した状態で、左右の車輪間で大きな静止輪重アンバランスが生じていたため、半径300mの曲線を走行中に、静止輪重アンバランスが生じていない車両と比較して、外軌側車輪の輪重が小さくなり、かつ、内軌側車輪の輪重が大きくなった影響によって外軌側車輪の横圧が増加したことにより、外軌側車輪の脱線係数が増大して外軌側車輪がレールに乗り上がり脱線したものと考えられる。

脱線した貨車に大きな静止輪重アンバランスが生じていたことについては、コンテナ内の積荷の偏積によるものと推定される。

貨物列車が運行する区間で管理することとされている複合変位が、整備すべき対象には該当していなかったが、車輪のレール乗り上がり開始か所の手前で比較的大きくなっていたことは、外軌側車輪の輪重減少を助長させた可能性があると考えられると結論付けている。

なお、概要による事故までの推移は、日本貨物鉄道の広島貨物ターミナル駅発札幌貨物ターミナル駅行き20両編成の高速貨第3061列車が、2012年4月26日、青森信号場を定刻(3時52分)に出発し、五稜郭駅に6時13分に到着した。

五稜郭駅で列車の到着を待っていた輸送係は、到着した列車の18両目(車両は機関車を含め前から数え、前後左右は列車の進行方向を基準とする)の貨車から発煙しているのを認め、駅務室に連絡した。駆けつけた駅務社員により、台車周辺から発煙していた貨車の消火作業が行われた。

一方、同日の5時59分に、江差線の釜谷駅構内で分岐器の転換不良が発生したため、北海道旅客鉄道の保線社員が同駅構内を確認したところ、周辺のまくらぎに脱線の痕跡があり、分岐器も破損していた。

五稜郭駅で発煙していた貨車は脱線した状態ではなかったが、車両を点検した結果、車輪等の状況から同貨車が一旦脱線したものと判断された。

列車には運転士1名が乗務していたが、負傷はなかった。

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