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元日通総研の山田 健氏/経営と物流の相談役に

2014年06月05日/調査・統計

理論と実践の両輪で経営と物流の相談役に

2014年6月に経営コンサルティング事務所を立ち上げた山田健氏。それまで勤めていた日通総研で、「物流改革をどこから、どのように進めていいのか、分からない」とする声を経営者や現場担当者から数多く聞いた。独立に際し、物流用語の難解さやコンサルタントの独り相撲を廃した「分かりやすい言葉で物流の課題から経営の課題まで応えていきたい」と話す。

<オフィスで>
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日通時代に物流の多くを学んだ

―― 日通入社は。

山田 1979年です。就職に際して、海外との関わりがある企業を探していました。海外との関わりから貿易にも興味を持っており、そのすべてに関わる日本通運を選びました。

―― ある程度物流にも興味があったと。

山田 当時は海外旅行に興味があったというのが本音ですね。

―― 最初の配属は。

山田 東京国際輸送支店に配属され、輸入通関の業務につきました。貿易の最前線なので、この時期に多くの知識を身に着けました。パソコンなんかない時代ですから、タイプライターも上手になりましたね。現在の私の原点です。ここに2年ほど勤めて、日通本社の営業部に配属。ここでは総合商社の原材料関係についての営業が担当でした。ここには6年間。そして、仙台支店に1986年から1991年まで地方勤務でした。担当は飲料や酒類でした。

―― 仙台時代はバブル全盛期です。

山田 そうですね。状況が今と似ている感じがします。当時スーパードライが発売され、ビール需要がうなぎ上りでした。ビール出荷量が極端に増え、需要をまかなえなくなり、ドライバーも要員も不足し、ぎりぎりの状況でした。依頼を断るのが仕事のような時もありました。

―― 当時の人手不足は深刻でした。外国人が東京でも目立っていた時期です。

山田 現在の状況も非常に危惧しています。トラックドライバーの不足は給料を多少あげるくらいでは、解決しません。少子高齢化や物流業界のイメージもあり、今後物流業界全体として取り組む必要があると思います。

―― その後、本社ですね。

山田 本社の営業部に戻り、今度は繊維会社の担当でした。当時の繊維会社は旧来の繊維・紡織分野からケミカル分野へビジネスの翼を広げていく最中でしたので、仕事としてもとても面白かったですね。液晶フィルムなども拡大を続けていましたし。ここに6年くらいいましたが、中小企業診断士の資格を取ったことから、これまでの経験も活かしてコンサルタントになりたいと思い、日通総研への配属を希望し適えてもらいました。

―― 日通総研では、ロジゼミシリーズの講師などで活躍されました。

山田 日通時代にほとんどの商品を担当し接していたので、日通総研でのセミナー等での受講者企業の悩みや状況がよく理解できました。ただ、短い時間での対応で、ともすれば「物流改革をどこから、どのように進めていいのか、分からない」とする声を経営者や現場担当者から多く聞きました。コンサルタントのいう言葉もよく分からない、とも聞きました。どうにか、物流や経営で悩んでいる企業の手助けをしたいと思い、独立に踏み切りました。

―― 独立は大変だと思いますが…。

山田 子どもが独立したこともきっかけでした。元々、独立志向は強かったのですが、子どもがいるとやはり躊躇します。さらに、日通時代の先輩が事務所を提供してくれるというありがたい話をもらい、決断したわけです。

目標は池上彰、分かりやすくをモットーに

―― 独立にあたってのポリシーとは。

山田 「分からないことを分かりやすく説明」をポリシーにしています。池上彰さんのように、難しい事柄も容易に理解できる話し方や説明を目指したいと思います。これは、本当に物事を理解していないとできないことです。理論だけでもだめで、実践だけでもだめで、両者を有機的に結び付けていきたいと思います。困っている企業を一つでも多く手助けしたいですね。物流をコンサルすることは、経営をコンサルすることでもあります。

―― 今後の業務の予定は。

山田 年間を通じてのセミナー講師、研修の講師を引き受けています。また、雑誌の連載や広報誌の執筆依頼もいただいています。

―― 今後の物流業界について。

山田 私が入社したころに比べて物流業界の地位は上がったと思いますが、イメージは相変わらず「トラックドライバー」というものです。物流の重要性が高まっているにも関わらず、イメージが旧態依然のままです。少子高齢化を迎え、若い人たちに物流の大切さを伝えていくとともに、一緒になって物流のステータスを上げていきたいですね。大学での講義を通じて、物流業界へ就職したいとする内容のレポートも見ることがあります。正確な物流の知識を伝えるときちんと若者は反応してくれますね。

―― リフレッシュ策は。

山田 自然が好きで学生時代から登山が趣味です。週末によく出かけます。同時にスキーも趣味ですね。登山とスキーはセットです。音楽も大好きで、学生時代にロックバンドを組んでいたことで、今でもギターを鳴らしています。今はフォークギターですが。

<山田 健氏>
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■プロフィール
1957年神奈川県生まれ。
1979年横浜市立大学商学部卒業
1979年日本通運入社
総合商社、食品・アパレルメーカーなどへの提案営業、国際・国内物流システム構築に従事。
1997年日通総合研究所へ出向、主にメーカー、問屋の物流効率化、コスト削減等のコンサルティング及び営業支援、セミナー・研修講師に携わる。
2014年6月山田経営コンサルティング事務所として独立

山田経営コンサルティング事務所
東京都千代田区神田須田町2-9-1
ウインクビル5F
ピークコンサルティンググループ
TEL:03-3258-6661
http://www.yamada-consul.com/

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