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ヤマト運輸/クール宅急便に総量管理システム導入

2014年05月20日/IT・機器

ヤマト運輸は5月20日、クール宅急便の温度管理に関して「総量管理制度」を導入した取組みを推進すると発表した。

<左から長尾裕常務、クール宅急便品質管理対策推進室の森岡紀之室長、群馬主管支店の田村高志品質指導長>
20140520yamato 515x306 - ヤマト運輸/クール宅急便に総量管理システム導入

2013年10月から2014年5月後半までを期間Aとし、2014年6月後半までを期間B、2014年8月中旬までを期間Cとして総量管理制度運用フローを構築した。

2013年10月から始まる期間Aでは状況の把握と設備面の強化に取り組んだ。2013年11月1日には「クール宅急便品質管理対策推進室」を立ち上げ、月2回のペースで会議を開催。

全国に160名の品質指導長や早朝作業リーダーを配置し、1690名のエリア支店長には食品衛生責任者の資格をとらせ、現場の状況の把握に努めている。

設備面では、新型車両、クールコンテナ、コールドバック・シートを投入し、前年比で5割増の設備の充実を図った。新型車両は初期導入57台に加えて今後164台を追加して計221台になる。

2014年5月後半から6月後半までの期間Bでは、「総量管理システム」を用いた繁忙期の物量把握を行う。

具体的には、独自のビッグデータ(過去の実績)を基に、その時のトレンドなども加味し、各拠点の到着量を日別に予測する。

予測をもとに、各拠点でクール設備の再配備(キャパシティの偏在調整など)を行う、さらに、予測を超える到着があった際の対処について、各拠点で事前にルールの取り決めを行う。

繁忙期となる期間Cでは、出荷実績データを基に、翌日の到着量を先送りする。キャパシティをオーバーすると予測された場合「警報リスト」が出力され、各拠点で事前に決められたルールに従って対応する。

品質指導長の配置、総量管理システムの導入、新型車両の導入などでクール宅急便の温度管理に対応するほか、顧客へのお願いも開始している。

中元などでピーク時が集中することを避けるための措置で、昨年は7月2日に120万個と通常の約3倍の量になったことから、「山(ピーク)を平坦化」する作業に取り組み、個人の顧客は別にして、大口荷主を対象に出荷と届けの調整を依頼している。

適正なサイズでの計上も呼び掛けている。これは荷物を個数ではなく、容積で把握するためだ。

長尾裕常務は「日常的な体制は整ってきた。課題は繁忙期の対策で、物量を昨年比10%アップでシミュレーションして対策を構築した。ピークシフト対策も大手の流通各社に複数の対応策を提示することで理解いただきつつあり、キャパにも収まりつつある」と話した。

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