ヤマト運輸は4月22日、「クール宅急便」の積載容量に対応して、トラック庫内の冷凍・冷蔵スペースを柔軟に変えることが出来る新型車両の導入を開始した。
これまで固定されていた車両の車載保冷スペースの容量を可変式に、間仕切りを変えることで、最大4パターンのレイアウトに変更が可能。従来の車載保冷スペースに比べ、最大で約4倍の容量を確保した。
6月末までに57台を全国で導入し、今後通年購入する新車の1/3程度を可変式の新型車両にする。
<併せて公開した羽田クロノゲートのクール仕分け室。部屋の温度は摂氏10度。コールドボックスからすぐにベルトに載せられ仕分けに>
新型車両は、昨年11月28日に「クール宅急便」の温度管理で問題に対し、品質向上策として開発した。
クール宅急便品質管理対策推進室の森岡紀之室長は「品質管理に対して全社一丸となって改善に努めてきたもので、この新型車両はその一環です」と説明する。
夏季などの繁忙期に車両面での対応ができるとしている。
大規模な集合住宅や商業施設など、駐停車時間が長時間化する地域は、車載保冷スペース内に蓄冷版を搭載した車両も開発。
エンジン停止時に蓄冷版が車載保冷スペースを保冷するため、庫内温度の上昇を防ぐことができる。
中口・大口の企業向けへの納品では、幹線輸送で使用するコールドボックスが積載可能な車両を開発。
「クール宅急便」をコールドボックスごと納品することで、輸送途中の仕分作業工程が省略でき、より品質を保てるようになる。
同社では、「クール宅急便」の温度問題が発覚してから、第3者により全国250か所の現場をモデリングしている。昨年12月からは全国の現場に品質指導長を157名配置し、品質向上に努めている。