経済産業省は3月26日、加工食品・飲料の小売店舗への納品 期限を試行的に緩和し、それによるサプライチェーン効率向上・食品ロス削減等の効果を検証する実証事業を実施し、その最終報告資料を公表した。
実証実験の結果、物流センターでの納品期限切れ商品の発生率の低下が確認されたとしている。
昨年8月から今年2月にかけて実験を行い、一定の期間、飲料・菓子を小売店へ納品する期限を試行的に延長することで、サプライチェーンの効率向上・食品ロス削減等の効果の検証を行った。
具体的には、実証事業の参加企業が、飲料・菓子の一部品目の小売店舗への納品期限を現行の概ね「賞味期間の2/3残し」から「賞味期間の1/2残し」へと緩和し、それに伴う返品や食品ロスの削減量の効果測定を行った。
その結果、実証事業に参加した小売8社のうち7社の物流センターで納品期限切れする商品の比率が減少した。また、小売店舗での廃棄については賞味期間120日以下の菓子を実証実験したD社では大幅に増加したが、それ以外の店舗では廃棄の増加は見られなかった。
さらに、食品ロス削減効果を拡大推計すると、4万619トンとなった。これは事業系の食品ロスの1.0%~1.4%に相当する規模。飲料と賞味期間180日以上の菓子は、食品ロス削減効果が見込まれることから、関係者と納品期限緩和に向けた検討を行っていくとしている。
なお、この取り組みは経済産業省が支援する「製・配・販連携協議会」と「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」が共同で行ったもの。
最終報告書
http://www.dsri.jp/forum/pdf/20140313.pdf