厚生労働省は10月8日、全国の労働局や労働基準監督署などの労働基準監督機関が、自動車運転者(トラック、バス、タクシーなど)を使用する事業場に対して行った監督指導や送検の状況を取りまとめ、公表した。
2012年のトラック事業場の監督実施事業場数は4325か所で、その内、労働基準関係法令違反事業場数は3517か所(違反率81.3%)だった。
主要違反事項では、労働時間が2425か所(56.1%)、休日が232か所(5.4%)、割増賃金が960か所(22.2%)となった。
改善基準告示の違反は、2751か所(63.6%)、内容では、総拘束時間が1633か所(37.8%)、最大拘束時間が2238か所(51.7%)、休息期間が1766か所(40.8%)、最大運転時間が875か所(20.2%)、連続運転時間が1535か所(35.5%)、休日労働210か所(4.9%)だった。
労働基準関係法令違反により送検したトラック事業の件数は、51件で、2011年より12件増加している。
自動車運転者は、依然として長時間労働の実態にあり、脳・心臓疾患の労災認定件数が最も多い職種。
同省では、引き続き、自動車運転者を使用する事業場に対し、労働基準関係法令などの周知・啓発に努め、問題があると考えられる事業場については監督指導を行うなど、自動車運転者の適正な労働条件の確保に取り組んでいく、としている。