物流子会社/投稿

2012年10月20日 

■物流子会社-1/成功の基礎(投稿)

ちょっと異常な世界に浸る

物流子会社が成功するためには、表には出ていない、表面的には見えない、自分の魅力が『何か』を知ることです。

まず、物流子会社とはいえ、物流会社のひとつの形態なのですから、基礎力が必要です。安全、品質を高め維持するためのもの。トイレ掃除でもISOでも、やると決めた習慣を続けているという、ストイックさです。

物流子会社ではそれを遵守しているというばかりでなく、従業員全員が喜々として参加し、ある種の近寄り難い世界を演出しています。

それ以上に、親会社の仕事を基礎代謝とみなし、さらに激しく身体をいじめています。

親会社の仕事にはとうぜん、イレギュラーな仕事がありますが、物流子会社のスゴイところは、それを拒否しないところです。だから物流子会社には、自分らが気づいていない知的財産が山のようにあります。眠っています。

そういう観点からしても物流子会社には、他の一般の物流業者よりも、”楽しく”かつ”好き”なものに満ちていると思うのです。

自分に厳しくし過ぎている

不思議なことに”親方日の丸”とかいって手を抜いている人は、まず見受けられません。自分を縛りつけるものを求めてやみません。圧倒的な仕事量をこなしています。そのことによって、物流品質は異常に高いのです。

物流の仕事は入庫と出庫と配送をすれば、それでいいのだ、という訳ではありません。その一つひとつが、いろいろなワークパッケージの塊でできており、さらに様々なアクティビティによって構成されています。きめ細やかさが仕事と言われるものの本体であり、それを疎かにしないことです。

物流子会社はとくにメーカーの物流子会社は、IE生産管理や品質管理の影響下にあるのか、勉強好き・研究好きな従業員で構成されています。

こういう人たちがかつて日本に存在していたのを、私は知っています。

それは”サムライ”といわれる人たちです。

外の世界とのギャップを求める

物流事業者にありがちなのは、良いサービスをやれば良いのだ、という考えです。良い倉庫、良いドライバー、あるいは良い顧客、それがあればもっと上手くいくのに、と考えてしまうことです。

これは間違っています。大事なのは、顧客の欲している何かに適合させられるかどうかなのです。顧客の問題を解決してあげられるかどうかなのです。

輪をかけて物流子会社が気をつけなくてはならないのは、親会社の立場に立っているからそれでいいのだ、という自己満に陥ってしまうことです。

親会社の業務を代行することを、顧客の問題を解決していると思い込んでしまうことです。

一般に企業が頑張っているのに発展しない、伸びないというのは、独自路線で何とかやっていこうという良くない自尊心から生じています。独自判断でものごとを処理しているとも言えます。

物流子会社の価値は実は、外部とのインターフェイスがキーです。ほんとうに利益を出すためには、元請け孫請けというタテの関係ではなく、物流事業者としてヨコの関係を活かしきってこそです。

■物流子会社-2/カルチャーを変えよ

物流子会社は現在、食うか食われるかの中に存在しています。

3PL事業を数多く展開していた三洋電機ロジや、グローバル化のノウハウを有していた富士物流などは、好条件のオファーで売却されたと聞きます。買収されたとしても、不思議なことに決して負け組とは見られないのです。

また、日立物流のように食う側に回って、業績を上げている者もいます。

わたしはその辺りをとやかくいうつもりはないですが、これから述べる3つの戦略で、いつ食われても良いように、というかむしろ高く売れるような魅力ある企業にしておきましょう。

1.親会社を輔けて、親会社を大きくしておく

他のグループ企業の後塵を拝したり、横並びになっていたりするのではなく、ナンバー2というポジションにのし上がっておくことです。

それは親会社から委託された物流の仕事を、つつがなくやっているというレベルでは足りないのです。大番頭さん的なポジションです。

ロジスティクスとはもともと、軍隊の野営地の手配が役目。その長が将軍。他国を侵し自国を豊かにするのが仕事です。ロジスティクスの英知を使えば、国を豊かにすることができるのです。親会社を富ませるくらいは簡単なことです。

2.セールスマンを鍛えておく

物流のサービスレベルはハッキリ言って、どこも同じです。革命的なあるいは革新的な物流事業者は、残念ながらほんの一握りです。差別化を図るのは、なかなか難しい課題だと思います。

それでも行うべきは、セールス強化です。そこに人材育成のカギがあると思っています。

それから新規顧客ばかりを狙うことが、セールス担当の役目ではありません。親会社や既存客の売り上げを高め、出荷量を増やし、自社の収入を増やす。これが、ほんとうの営業です。

3.見える化をしておく

これは売却するための目録作りです。何をどうやっているのか、あるいは、どうやって何を得ているのか、そのプロセスを文字や表や図で書きあらわしておくということです。

例えばKPIを活用して、数値による評価基準を作っておくことも、見える化といえます。

それでも、風雲急を告げてきたようなら、ハラを据えて、次の2つのことを実行しましょう。
ビジネスマンとして他では味わえない、羨ましい体験ができますよ。

1.abandon捨てること
ドラッカー先生はシステマチックに捨てよと言われましたが、その通り実行するのは困難です。ただし、見事な復活を遂げた企業は確かに、惜しげなく捨ててきたところです。

世を捨つる人はまことに捨つるかは捨てぬ人をぞ捨つるとはいふ(西行)

2.いさぎよい死ではなく、みっともない死
命脈を繋ぐために、微かな可能性に賭けて右往左往することでしょう。恥もかくでしょう。下げたくない頭も下げるでしょう。

おそらくそれが、物流子会社の方がたにもっとも不足していたものだから、必ずそういう体験を余儀なくされます。

これを人生のチャンスと見て、波瀾万丈のストーリーを紡いでください。¥

■物流子会社-3/それでも諦め切れないあなたに(投稿)
 物流子会社に所属されている方のみ限定・必読

繰り返すようですが、物流子会社の強みは、売上げのベースがすでにあるというところです。

これは見える強みですが、見えない強みは人間関係・会社関係の達人だということです。

ビジネスにおいて、その仕事が向いているかどうかということより大切なことは、信用があるということです。

そして物流を担っているということは、やはりどうしても人情とか男気とかが、その根底になっています。いざという時、ドロを被れる人です。

1.何かひとつ、突出しておく

『○○が得意の○○さん』と言われるまで、世の中に認められるまで、とことん極める。頭ひとつリードしておくことです。

2.来週までに一輪車に乗れるようにすること

理論だけ教わって何もしない、というのはよくないです。今日明日は無理でも、1週間くらいの時間を与えれば、身体のあちこちを傷だらけにしてでも、マスターしてくる人。他に受け入れられる人です。

3.ある大工の話

とある修理を頼まれた大工が、一カ所だけ釘をトントンと打って、修理代10万円を請求してきたという話。釘を打つ位で何でそんな高いんだ?と質問したところ、たしかに釘を打つだけなら5千円ですが、その打つところを的確に探り当てるスキルが9万5千円ですとのこと。

この大工に倣い、経験に裏付けされた予測するという眼力を鍛えておくことです。それには失敗を重ねることです。

近い将来、あなたの所属する会社は無くなってしまうでしょう。無くならなくても、あなたの居場所は保証されません。だったら、まだ席のある内に、失敗をしておくことです。

大丈夫です。社員の失敗をなんとかするのが、会社というものです。

4.目標はいらない

組織も個人も、目標、目標。目標が無意味だとは言いません。年に一度、元旦にでも目標と現ポジションが確認できれは、それで充分です。今、大事なのは、この一瞬です。

目の前にある仕事に時間と手間ひまを惜しまない癖をつけることです。
「好き」はあとから追ってきますし、「大義名分」はあとから振り返って取って付ければいいのです。

5.仕事の任せ方という根源的な課題

成功する人の必須科目です。徳川家康はこの能力だけで天下を手に入れ、治めたのです。

6.本気にならざるを得ない状況に追い込まれる

これは親会社やボスの言いつけを守るとか、ビジネス上の約束を守るとか、そういうことです。

やれないと、クビになるとか、取り引き停止になるとかで、命と引き換えに頑張るということです。無理難題に必死になって応える、艱難辛苦に耐えるということです。

あたり前のことでしょうが、多くの人はイザとなったら逃げるのです。どうか、自分に負けないでください。

とはいえこの文章を読んでいる方は、おそらく、それを何度となく乗り越えてきた経験のある方だと思います。社名が変わってしまっても、胸を張っていて良いのではないでしょうか。(おわり)

■執筆:江島裕氏(ロジスティクス&ビジョン代表)

■ロジスティクス&ビジョン
http://www8.plala.or.jp/logivision/index.html

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