三菱樹脂は6月19日、農業ハウス用の高機能フィルム事業を中国で展開するため、中国江蘇省無錫市に子会社を設立したと発表した。
<ハウスに被覆された農POフィルム>
2012年秋に建設工事を開始し、2013年夏の生産・販売開始を目指している。
設立した無錫菱樹農用薄膜材料科技は、農業ハウスの外張りフィルムとして使用する高機能なコーティングを塗付したポリオレフィン系フィルム(以降、農POフィルム)を現地で製造・販売する。
現在、中国で使用されている農業ハウス用フィルムは、耐久期間が1年程度の単層フィルムがほとんどですが、この農POフィルムは、多層で構成され、特殊な表面処理を加えることで、透明性、強度などの劣化を抑制しており、約3~5年間の長期使用が可能。
中国ではこのような高機能タイプの農業ハウス用フィルムが未だ普及していないが、施設園芸の近代化や大規模化に伴い、今後、急速に市場が拡大することが見込まれる。
MKVドリーム社が、新たなビジネスとして注力している太陽光利用型の植物工場においても、このような高機能なフィルムが必要となっていくことから、その普及を中国において推進していくためにも、現地での製造・供給が不可欠であると判断したもの。
■新会社の概要
会社名:無錫菱樹農用薄膜材料科技
所在地:中国江蘇省無錫市錫山区
設立:2012年5月21日
資本金:8億円
株主:三菱樹脂100%
事業内容:農POフィルムの製造販売会社
生産能力:約4000t/年