EMCジャパンは6月9日、日本通運が、EMCジャパンのITインフラを活用し、全社的なITインフラの仮想化を実現した企業内クラウドを構築したと発表した。
日通は企業内クラウドの構築により、それまでのサイロ型のシステム環境による高コスト体質やSIer(システムインテグレーター)への高い依存体質から脱却した。
日通では今回のIT基盤の見直しで、これまで、アプリケーションとインフラを一体で調達していたために2か月かかっていたIT基盤の調達を、インフラのみで調達することが出来るようにしたため、わずか10日間に短縮することができた。さらに、新たに災害対策サイトを構築し、ITインフラの構築・運用コストが、従来に比べて30%の削減を実現した、としている。
<標準化インフラ基盤環境>
日通は、2009年8月にEMCジャパンとNECが提案した「全体最適コンサルティング・サービス」を受けたことをきっかけに、それまでアプリケーションごとに縦割りだったシステムを見直し、全てのアプリケーション環境の標準化を図るプロジェクトをスタート。
構築したITインフラは、EMCジャパンのハイエンド・ストレージ「Symmetrix DMX」、ユニファイド・ストレージ「CLARiX」、「Celerra」、災害対策ソリューション「ReocverPoint」、バックアップ・ストレージ「Data Domain」、自動階層化機能の「FAST」や「FASTキャッシュ」などで構成されており、NECを通じて提供、約1年間のテスト運用を経て、2010年11月より、本番環境としてスタートした。
また日通では、2014年に現在データセンターに保持する業務アプリケーションサーバをすべて企業内クラウド環境に移行する計画を立てており、今後は業務アプリケーション開発の標準化を進める。また、IT展開の迅速化により、将来的には、日本通運内で育て上げたプライベート・クラウド環境を日本通運グループ全体で活用することを目指す、としている。