帝国データバンクによるとゼロスポーツ(資本金1億8500万円、各務原市大野町6-101-1、代表中島徳至氏、従業員80名)は、3月1日に事業を停止し、事後処理を畑良平弁護士ほかに一任、自己破産申請の準備に入った。
同社は、1989年9月創業、94年9月に法人改組し、自動車メーカー向けのカスタムパーツの企画開発、特装電気自動車、ゴルフカートなどの製造、販売を手がけていた。
特に電気自動車の開発に長年の実績があり、同社の電気自動車が「愛・地球博」のイベント用パレードカーなどに採用されるなど相応の知名度を有し、2006年8月期の年売上高は約12億1900万円を計上していた。
しかし、近年は不況の影響による自動車市場の縮小もあって、売り上げの伸び悩み傾向が続き、2010年8月期の年売上高は約5億5300万円に落ち込み、欠損計上を余儀なくされていた。
なお、代理人弁護士によると、2010年8月、大手自動車メーカーの軽貨物自動車をベースに電気自動車に改造、郵便事業会社に1030台販売する契約(契約価格約35億円)を交わして金融機関より運転資金を調達していた。
しかし、生産計画が順調に進まず、2011年1月になって郵便事業会社より契約解除を申し渡されたうえ、違約金を請求され、金融機関への返済のメドが立たなくなった事から今回の措置となった。負債は約11億7700万円。