Amoeba Energy、日本郵便/ロボットによる連続置き配に成功

2020年01月30日 

Amoeba Energy(アメーバエナジー)と日本郵便は1月30日、神奈川県相模原市の「さがみロボット産業特区プレ実証フィールド」で、Amoeba Energyの荷物運搬ソフトロボット「Amoeba GO-1」を使った無人複数置き配の実証実験を実施した。

< Amoeba Energyの荷物運搬ソフトロボット「Amoeba GO-1」 >

ソフトロボットとは、ゴムやスポンジなど柔軟な素材をボディに用いたロボットのこと。近年研究開発が盛んで、ロボットアーム先端部分のグリッパーなどで実用化されている。

今回の実証実験に用いた「Amoeba GO-1」は、足回りのクローラー部分にスポンジ素材を取り入れ、段差や階段を越えて荷物を運ぶことが可能な世界初の「荷物搬送ソフトロボット」。

荷台部分には最大6kgまでの荷物を積載でき、作成した建物の3Dマップに沿って時速1kmで走行。ロボットが中央で折れ曲がることで荷台が傾き、荷物をやさしく降ろすことが可能で、配達後は写真を撮影して受取人へ送信し、配達完了を通知する。現在はまだプロトタイプのため、積載重量や走行速度は今後高性能化する予定だ。

<日本郵便の配達員がロボットに荷物を積載>

<階段を上る 「Amoeba GO-1」 >

<ロボットが中央で折れ曲がると荷台が傾き、荷物が滑り落ちる仕組み>

<受取人へ配達完了を知らせる通知>

今回実施した実証実験では、実証フィールド内の建屋を利用し、自動ドアタイプのオートロックが設置された集合住宅を想定した置き配を検証。

日本郵便の配達員がタブレット端末で屋内に待機している「Amoeba GO-1」を呼び出し、自動ドアから出てきた「Amoeba GO-1」に荷物を積載。荷物を乗せた「Amoeba GO-1」が建屋1階にある1つ目の部屋の扉前に荷物を配達し、その後、階段を上り、2階にある2つ目の部屋へ連続して荷物を届けることに成功した。

Amoeba Energyは、慶應義塾大学 環境情報学部の准教授でもある青野 真士社長が2018年1月に設立したロボットベンチャーで、2019年に「Amoeba GO-1」を開発。同12月に神奈川県藤沢市の市営住宅でリモートコントロールによる荷物運搬の実証実験を行っており、今回の実証実験では、第2ステップとしてAIによる自律走行と、複数箇所への連続置き配を検証した。今後は、さらなる実証実験によって動作を検証するとともに、企業への用途提案やコスト面の調整などを経て、2021年中の実用化を目指す方針だ。

<Amoeba Energyの青野社長>

青野 真士

青野社長は、「物流業界が抱える大きな問題として、ECをはじめとする荷物の再配達がある。昨今はその解決策として『置き配』や『宅配ロッカー』を使った配達手法が増えているものの、オートロック付きのマンションでは置き配に対応できなかったり、宅配ロッカーを設置していてもロッカーが埋まっていて使用できないといった課題があった。『Amoeba GO-1』は集合住宅の玄関内に配置して使用することを想定している。ロボットが自動ドアを開けて出てくるため、オートロック付きのマンションにも置き配が可能になるほか、宅配ロッカーとは異なり配達員がいつでも荷物を預けられるため、再配達問題の解決に向けた効果が期待できる」とコメント。

<日本郵便 オペレーション改革部の五味部長>

五味 儀裕

また、実証実験に協力した日本郵便 オペレーション改革部の五味 儀裕部長は、「日本郵便ではこれまで、配達の自動化についてドローンや自動走行ロボットなどを使った実証実験を行ってきた。『Amoeba GO-1』の段差を乗り越えたり、階段を昇降したりする技術は非常にユニークで、これまでと違う点で配達自動化にアプローチできるのではないかと思い、実証実験に協力を申し出た。実験を見た感想としては、荷物を床に置く際のタッチがとても柔らかく、荷物をダメージなく配達できるという点で期待していた効果が出ていると感じた。実用化に向けては、走行速度や積載重量、配送側とのインターフェイスなど、乗り越えないといけない課題がいくつかあるものの、段差を乗り越える、スムーズに荷物を床に置くといった基本的な技術については実用化の条件をクリアしていると思う」と語った。

■ソフトロボット「Amoeba GO-1」
サイズ:全長77cm×幅62cm×高さ61cm
本体重量:24km
積載重量:6kg
走行速度:時速1km以下
走行時間:3時間
操作方法:遠隔手動走行、自律走行

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