ヤマトHD/基盤構造改革で4つの機能本部による事業会社に再編成

2020年01月23日 

ヤマトホールディングスは1月23日、中長期経営のグランドデザイン「YAMATO NEXT 100」で、3つの事業構造改革と共に、3つの基盤構造改革を発表した。

<左からヤマトHDの芝崎健一副社長、長尾裕社長、牧浦真司常務執行役員>

左からヤマトHDの芝崎健一副社長、長尾裕社長、牧浦真司常務執行役員

<グループ組織図>

グループ組織図

3つの基盤構造改革とは、1.グループ経営体制の刷新、2.データ・ドリブン経営への転換、3.サステナビリティの取り組み~環境と社会を組み込んだ経営~。

このうち、グループ経営体制の刷新では、現在の機能単位の部分最適を、顧客セグメント単位の全体最適な組織に変革し、経営のスピードをより速めるためのもの。2021年4月、現在純粋持株会社であるヤマトHDが、グループ会社8社を吸収合併および吸収分割することにより、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4事業本部と、4つの機能本部からなる事業会社に移行するということだ。

ヤマトHDの長尾裕社長は「これは持株会社制を辞めるということ。ヤマトを1本化することにより、経営の監督と執行の分離を明確にすることで経営の透明性と、健全性のガバナンスを引き続き強化することです。社名はまだ決めていない。まだ余裕が1年あるので、じっくり考える」と話した。

輸送・プラットフォーム・IT の各機能本部は、ネットワーク・拠点・車両を含めた輸配送工程の全体最適化、YDP・クロネコメンバーズなどのプラットフォームの進化、IT の強化とIT 人材の開発など、事業本部の競争優位の源泉となる各機能の開発と運営を担う。

また、プロフェッショナルサービス機能本部は、再編で重複する業務の統廃合を受け、管理間接業務や調達業務を集約するとともに、徹底した業務の標準化、効率化を進める。

現場を管理・事務業務から解放し、顧客とのリアルな接点の強化に専念できる、ヤマト本来の全員経営を復活させるとしている。

データ・ドリブン経営への転換では、今後4年間で約1000億円をデジタル分野に投資するとともに、社内外のデジタル・IT人材を結集し、2021年4月には300人規模の新デジタル組織を立ち上げる。

新組織立ち上げに向け、2021年3月期は「データ・ドリブン経営による予測に基づいた意思決定と施策の実施」、「アカウントマネジメントの強化に向けた法人顧客データの統合」、「流動のリアルタイム把握によるサービスレベルの向上」、「稼働の見える化、原価の見える化によるリソース配置の最適化、高度化」、「最先端のテクノロジーを取り入れたYDPの構築、および基幹システム刷新への着手」の5つのアクションを実行する。

加えて、シリコンバレーの拠点を基点に、スタートアップ企業や大手テクノロジー企業とのネットワークを拡大するとともに、当初50億円規模のCVCファンドを設立する準備を既に進めており、オープンイノベーションを加速させる。

サステナビリティの取り組み~環境と社会を組み込んだ経営~では、持続可能な未来を切り拓く将来の姿として「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」の2つのビジョンを掲げ、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指す。

そして、フェアな事業や多様なパートナーとの共創により、リーディングカンパニーとして
社会課題を解決していく。2050年CO2 実質ゼロに挑戦し、EVの導入や再エネ利用等を進めていく。また、持続可能な資源の利用、スマートモビリティ、働きやすい職場づくりを通じたディーセント・ワーク(働きがいのある、人間らしい仕事)達成への貢献、人権・ダイバーシティの尊重、健全でレジリエンス(強靭)なサプライチェーンマネジメントなどに注力していくとしている。

<ロードマップ>

ロードマップ

なお、これらを実現するために、2021年3月期~2024年3月期「YAMATO NEXT 100」による投資として、成長投資に2000億円(IT/デジタル投資に1000億円)、物流ネットワーク革新投資に1000億円)、経常投資に2000億円の合計4000億円。2024年3月期の目標値を売上高2兆円、営業利益1200億円、ROEは10%以上としている。

この数字に対して長尾社長は「それぞれの改革を着実に実行して積み重ねた数字の総計です。決して簡単ではありませんが、実現可能な数字だと思っています。事業成長とともにコスト構造を抜本的に改善し、財務戦略との両輪で、より資本効率を重視した経営に取り組む」と語っている。

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