ヤマトHD/デジタル化・データ化推し進め事業構造を大幅改革

2020年01月23日 

ヤマトホールディングスは1月23日、経営構造改革プラン「YAMATO Next100」を策定し、発表した。

これは、現中期経営計画「KAIKAKU2019 forNEXT100」をあらためて検討を重ねた結果、さらなる抜本改革が必要ということで、中長期の経営のグランドデザインとして「YAMATO Next 100}」を作成したもの。

<ヤマトHDの長尾社長>

ヤマトHDの長尾社長

ヤマトホールディングスの長尾裕社長は「これまで働き方改革とデリバリー事業の構造改革を着実に進め、一定の成果を得た。しかし、非連続成長を実現するための収益・事業構造改革 、および持続的に成長していくためのグループ経営構造改革については、社会経済環境の変化が改革のスピードと内容を上回りつつある状況。それを実現するためにあらためて3つの事業構造改革と3つの基盤構造改革からなる『YAMATO NEXT100』を策定した」と語り、その内容を説明した。

「YAMATO NEXT 100」の基本戦略は1.お客さま、社会のニーズに正面から向き合う経営へ転換する、2.データに基づいた経営へ転換する、3.共創により、物流のエコシステムを創出する経営へ転換するとしている。

これらを実現するための事業構造改革と基盤構造改革だが、まず事業構造改革では1.宅急便のデジタルトランスフォーメーション、2.ECエコシステムの確立、3.法人向け物流事業の強化を挙げている。

<宅急便のデジタルトランスフォーメーション>

宅急便のデジタルトランスフォーメーション

宅急便のデジタルトランスフォーメーション(DX)では、デジタル化とロボティクスの導入で、「宅急便」を自社の安定的な収益基盤にするとともに、セールスドライバーが顧客との接点により多くの時間を費やせる環境を構築し、顧客との関係を強化するとしている。

長尾社長は「現在の宅急便のセールスドライバー(SD)は、通常求められる安全運転、新しいセールス、顧客満足だけではなく、さまざまなミッションが付加されています。それを取り除いて本来のSDに戻すというのが宅急便のデジタルトランスフォーメーションです」と話す

また、徹底したデータ分析とAIの活用で、需要と業務量予測の精度を向上し、予測に基づく人員配置・配車・配送ルートの改善など、輸配送工程とオペレーション全体の最適化、標準化によって、集配の生産性を向上する。

<ソーティング・システムによる生産性向上イメージ(現在)>

ソーティング・システムによる生産性向上イメージ(現在)

<ソーティング・システムによる生産性向上イメージ(2021年以降)>

ソーティング・システムによる生産性向上イメージ(2021年以降)

さらに、従来の仕分けプロセスを革新する独自のソーティング・システムの導入で、ネットワーク全体の仕分け生産性を4割向上させるなど、取扱個数の増減だけに影響されない、安定的な収益構造に改めるという。

<ECエコシステムの概念図>

ECエコシステムの概念図

ECエコシステムの確立では、本年4月より、EC事業者、物流事業者と協業し、一部の地域でEC向け新配送サービスを開始する。外部の配送リソースとヤマトの拠点やデジタル基盤を融合し、まとめ配達や配達距離の短縮化、オープンロッカーや取扱店受け取り、安心な指定場所配達などを通じて、EC事業者、購入者、運び手のそれぞれのニーズに応える、EC向けラストマイルサービスの最適解を導き出し、全国への展開を目指す。

また、あらゆる商取引のEC化に対応する統合受発注、輸配送、在庫管理、決済、返品などを一括管理できるオープンなデジタル・プラットフォームを構築し、2021年4月からの提供を目指す。

法人向け物流事業の強化では、グループに点在する専門人材、流通機能やソーティング・システムなどの物流機能、物流拠点を結ぶ幹線ネットワークなど、法人向けの経営資源を結集し、顧客の立場に立ったアカウントマネジメントを推進する。

そのためのデータ基盤として「Yamato Digital Platform」(YDP)を構築し、精度の高いリアルタイムの情報を軸とした法人向け物流ソリューションの提案力を強化し、製造業や流通業など、販売物流や静脈物流に課題を持つ法人企業の生産・調達から納品・検品、請求・支払に至るサプライチェーン全体を最適化するソリューションの開発に注力するとしている。

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