アサヒ、グリコ等/各社1億円出資、新・幹線輸送スキームを事業化

2019年12月04日 

日野自動車の子会社である NEXT Logistics Japan(NLJ)とアサヒグループホールディングス(アサヒGHD)、江崎グリコ、千代田運輸、トランコム、ユーネットランスは、荷主企業・運送事業者・求貨求車サービス企業・車両メーカーといった物流に関わる各企業の知見や技術を結集し、深刻化する物流の課題解決に向けて新たな幹線輸送スキームを事業化すると発表した。

<NLJが目指す物流>

NLJが目指す物流

<6社の代表たち 左からアサヒグループホールディングスの 島崎 市朗理事 物流部門ゼネラルマネジャー、江崎グリコの渡邊 武SCM本部 ロジスティクス部 部長、千代田運輸の石崎 謙一専務取締役、トランコムの上林 亮取締役常務執行役員、ユーネットランスの石川 清茂専務取締役、NEXT Logistics Japanの梅村 幸生社長>

6社の代表たち

各社はNLJへ総額約1億円を出資し、12月9日からこのスキームを運用開始する。

NLJは 2018年6月の設立以降、物流にまつわる社会課題の解決を目指し、実証実験を進めてきた。高齢化や個別配送ニーズの高まり等の環境変化により、運送事業におけるドライバー不足、積載率の低下は著しく、幹線輸送で顕著な傾向として表れている。
このたび、物流への危機意識を同じくする企業とともに、現在物流において特に大きなボトルネックとなっている東名阪間の幹線輸送の効率化・省人化を目指し、新たな輸送スキームの運用を開始する。

東西2か所にクロスドックを設け、荷主各社の荷物を集約。荷物と車両の情報から算出した最適パターンで混載するとともに、空きスペースへの積荷マッチングを行い、積載効率の最大化を図る。

大きさ・重量・輸送頻度といった特性の異なる荷物を混載することにより、車両の積載可能重量・容積を最大限に活用できるとともに、需要時期の違いによる年間を通じた積載率の平準化も可能になる。

車両は、積載効率を高めた専用開発の全長25m級ダブル連結トラックを用いることで、ドライバー1人で大型トラック2台分の荷物を輸送し、物流の省人化に取り組む。

また、安心・安全で持続可能な輸送を実現するため、ドライバー・車両・荷物の三位一体の情報活用に向けて、日野のICTサービス「HINO CONNECT」で得られるデータの活用に加え、各種センサーによる荷室内の視える化や、ドライバーの体調管理に寄与する睡眠改善プログラムも取り入れる。さらに、ドライバーの働き方改革に向けても、輸送・荷役作業の分離や長時間労働の抑制などに取り組んでいく。

今後、実運用を通じてノウハウを蓄積するとともに、参画企業の輪を拡げ、幹線輸送スキームを進化させていく。将来的には、あらゆる荷主企業・運送事業者が利用できる物流の仕組みを確立し、社会に貢献していくとしている。

アサヒGHD理事の島崎市朗物流部門ゼネラルマネジャーは「「ドライバー不足の進行、長時間労働の解消など今後、ますます厳しくなる物流環境に対して、NLJの構想での高積載・高効率な物流の実現は、私たちの実現したい目標を共有するものであり、現在直面する社会的課題の解消につながると考えている。これは、業種を超えた連携なくしては実現できない。各社の技術・知恵と工夫の結晶となる新たな輸送モデルにより、広く社会に貢献していきたい」とコメント。

江崎グリコの渡邊 武SCM本部ロジスティクス部部長は「物流クライシスと叫ばれる中、荷主企業として、また物流に携わるものとして危機感を抱き、物流環境改善に取り組んできたが、環境はますます厳しく、さらに踏み込んだ取り組みが必要であると感じていた。そのような中、NLJ社から、車両・荷物・ドライバーが三位一体となった、これまでにない幹線輸送の構想を得て、物流に携わるものが垣根を超えて、手を取り合うことで問題解決の糸口になれると思い参画することを決めた。生み出すための苦労は大きいかもしれないが、未来へ繋がる仕事を共に成し遂げたいと思う」と話す。

千代田運輸の水野 功社長は、弊社は運送事業を生業として日野自動車と共に60余年が経過したが、100年に一度の大変革期と言われる昨今の変化に対応するためには、新しい技術の確立や新しい輸送の仕組みが必要不可欠であると痛感している。特にドライバー不足や働き方改革など、一事業者だけでは成し得ない社会全体の問題解決に繋がるよう、また弊社のノウハウが NLJ 社に貢献できるよう、取り組んでいく」と述べた。

トランコムの上林 亮取締役常務執行役員は、「弊社は物流専業者として、これまで長年にわたりさまざまな顧客の物流領域の問題解決に取り組んできた。とりわけ求貨求車サービス事業においては、『貨物』と『空車』のマッチングを通じ、安定的かつ持続的な中長距離の輸送サービスを提供している。ドライバー不足・コンプライアンス対応など『輸送』を取り巻く環境がますます厳しくなる中で、今回、高効率大量輸送の実現を目指す NLJ 社と共に、新たな幹線輸送の仕組みを構築していく」と話している。

ユーネットランスの今井 眞一郎会長兼社長は、「私たちが長年培ってきた、運行管理・配車管理・トレーラー輸送のノウハウを進化させるとともに、異業種連携のシナジー効果を発揮しつつ、先進技術と私たちのノウハウを融合させ、将来の新たな幹線輸送の革新的なシステム構築に貢献すべく専心していく」と言う。

NLJの梅村 幸生社長は、「物流を取り巻く問題が深刻化する中、社会のお役に立つことができないかという一心でこの取り組みを進めている。このたび、NLJ の構想に賛同したパートナーとともに、物流の課題解決に向けた第一歩を踏み出せることは大変ありがたく、また意義深いものであると感じている。各社の技術や知見を結集し、物流にまつわる課題に寄り添い、できることから着実に一歩一歩進んでいくことが物流の明るい未来につながると信じて、邁進していく」と述べている。

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