ヤマト運輸/日本初登場、宅配に特化したEV小型商用車500台導入

2019年11月19日 

ヤマト運輸は11月19日、宅配に特化した日本初の小型商用EVトラックをドイツポストDHLグループ傘下のストリートスクーター(STS)と共同開発し、2020年1月から 首都圏に順次500台を導入すると発表した。

<小型商用EVトラック、ヤマト運輸仕様ストリートスクーター>

小型商用EVトラック、ヤマト運輸仕様ストリートスクーター

<セールスドライバー(身長155㎝)が乗り込んだ様子>

セールスドライバー(身長155㎝)が乗り込んだ様子

宅配に特化した小型商用EVトラックを日本で初めて開発したもので、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県)に順次100台強ずつ計500台を2020年4月頃までに導入する予定だ。そして、2030年までに、5000台をこの小型商用EVトラックに切り替えていく予定だという。投資金額は充電器等も含めて約40億円。

これにより、CO2の削減や住宅街での騒音低減といった環境面での取り組みをさらに強化する。またこの車両を従来のトラックよりも小型で運転がしやすく、ドライバーの立場に立った設計とすることで、車両を使った業務に慣れていない人でもセールスドライバーとして活躍できるようになることから、働き方改革をより一層推進していくとしている。

<ヤマトホールディングスの長尾社長>

ヤマトホールディングスの長尾社長

<STS社のイエルグ・ゾマーCEO>

STS社のイエルグ・ゾマーCEO

ヤマトホールディングスの長尾裕社長は「ストリートスクーターを見てから、約2年で宅配に特化した日本初の小型商用EVトラックを開発できた。物流業界には果たすべき役割が多くあるが、その一つが環境問題。ヤマト運輸でも低公害車の導入やモーダルシフト、客貨混載、SF25を利用したダブル連結トラックでの幹線輸送等、さまざまな形でCO2削減に努力している。また、このトラックはセールスドライバーの立場に立って開発しており、多くの人がドライバーとして活躍できる車両としている。ヤマトグループとしても、このような持続可能な社会の実現に向けた取り組みを一層強化していくつもりだ」と述べた。

また、STS社のイエルグ・ゾマーCEOは「ストリートスクーターはヨーロッパ以外では初の進出となる。ヤマト運輸と協力して開発できたことは大きな1歩だ。ドイツでは既にドイツポストDHLが1万台走らせており、年間3万7000tのCO2削減を図っている。今後はこのEVトラックを大型にも導入していくつもりだ」と話した。

<運転室の様子>

運転室の様子

<冷凍・冷蔵室を開けたところ>

冷凍・冷蔵室を開けたところ

<普通充電器から充電を受ける>

普通充電器から充電を受ける

<冷凍・冷蔵室には別のバッテリーを積んでおり、ここから充電>

冷凍・冷蔵室には別のバッテリーを積んでおり、ここから充電

<バードビュー画面>

バードビュー画面

この小型商用EVトラックの開発に当たっては、ヤマト運輸仕様として、右ハンドルに切り替え、エアコンの装備、冷凍・冷蔵室の設置、バッテリーの容量増+増設等を行っている。機能面では、乗り降りしやすく、体への負担を低減した運転席シートの採用、キーを操作せずに運転席、荷室の施錠開錠ができるキーレスエントリー、荷物の積み下ろし時の体への負担を最も軽減する地上高90㎝の荷室床面、車両の死角を360度解消するマルチビューモニターの装備などを図っている。

特にマルチビューモニターの機能の一つ、バードビュー機能は360度の広角カメラで捉えた画像を処理し、まるで車上10m上から撮影したような画像を提供するもの。発進時等での車の死角となる部分の確認が容易となり、車の四方が一目瞭然となる。

また、初めての車が日本に上陸することで、そのメンテナンスには十分な対応を図っている。ヤマトオートワークスが開発にも携わり、そのノウハウを受け継いでいるほか、部品等のパーツも十分に用意、タイヤ等一部のものは他の日本製でも代用できるという。

<ヤマト運輸の栗栖利蔵社長>

ヤマト運輸の栗栖利蔵社長

ヤマト運輸の栗栖利蔵社長は「今年も台風被害があるなど、異常気象による災害は毎年起こっている。これもCO2による環境破壊の影響とすれば、そのリスクを取り除くことは社会的課題だ。ヤマト運輸は全国に約4万台の車輛を保有している。それらの車が生活の場の中を走っていることで、大気汚染につながっているとすれば、ぜひとも解決しなければならない。その一つの解決法がEV車の導入だ。さらに、このEV車にはもう一つの役割がある。物流業界は2025年には49万人の人出不足になると予測されている。ヤマト運輸ではリヤカーや電動自転車などを配置し、地域に応じた配送手段を提供しているが、この車はだれでもが扱いやすい工夫を凝らしている。幅広い層の求人に応えられる車両として開発したもの」と述べた。

<左からヤマトHD長尾社長、経産省製造産業局自動車課の植木健司ITS・自動車走行推進室長、国交省自動車局の福田審議官、国交省の山崎孝昭環境政策課長、環境省環境局の秦康之総務課長、ヤマト運輸栗栖社長>

左からヤマトHD長尾社長、経産省製造産業局自動車課の植木健司ITS・自動車走行推進室長、国交省自動車局の福田審議官、国交省の山崎孝昭環境政策課長、環境省環境局の秦康之総務課長、ヤマト運輸栗栖社長

<左からドイチェポストDHLのトーマス・オグリビー取締役、ストリートスクーターのゾマーCEO、ヤマト運輸栗栖社長、ヤマトHDの長尾社長>

左からドイチェポストDHLのトーマス・オグリビー取締役、ストリートスクーターのゾマーCEO、ヤマト運輸栗栖社長、ヤマトHDの長尾社長

■小型商用EVトラックスペック
全長:4700mm
全幅:1830mm
ホイールベース:3050mm
全高:2250mm
荷室までの高さ:900mm
車両総重量:2850㎏
電池:リチウムイオン電池
バッテリー:40kwh
充電時間:6時間(普通充電)
最大走行距離:約100㎞
最小回転範囲:5.4m
荷室
最大積載量:600㎏ (軽ワゴンの約2倍)
容積:2730ℓ
冷凍冷蔵庫完備:容積730ℓ
荷室の高さ:130㎝
荷室ドア数:3か所
地面から荷室の高さ:900mm

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