物流最前線 ダイフクのマテハン戦略

2019年10月29日 
ダイフクのマテハン戦略  ダイフク 常務執行役員 FA&DA事業部門長 阿武 寛二

グローバルNo.1のマテハン企業として進化を続けるダイフク。省人化・省力化が喫緊の課題の物流業界では、マテリアルハンドリング分野での完全自動化が強く期待されているが、「簡単な話ではない。道のりは厳しい」とダイフクの阿武寛二常務執行役員は話す。
eコマースの発展とともに、倉庫での管理がパレットからピースになり、倉庫の形態や処理量、スピードも大きく変化した。一番人手のかかるピッキング部分については、当分先だろうと予測する。ダイフクの海外展開を絡め、世界の物流環境についても聞いてみた。

<ダイフクの総合展示場 「日に新た館」外観>

ダイフクのマテハン戦略 ダイフクの総合展示場 「日に新た館」外観

<「日に新た館」内観>

ダイフクのマテハン戦略 「日に新た館」内観

物流センターで加速する人手不足

―― 現在、日本では物流に限らず人手不足が深刻です。

阿武 日本では、少子高齢化が進んでおり、将来的にも確実に労働力は減少すると言われています。物流関係も労働集約型産業として、人手を数多く必要としてきました。その反動もあり、多くの物流現場で人手不足が発生しています。特に、物流センターでの人手不足は深刻で、省人化、自動化の流れは加速度的な勢いで進んでいます。

―― 物流センターでの自動化の要望が高いと。

阿武 これまでの物流センターの用途としては、BtoBが中心でしたが、eコマースの伸長に伴い、BtoCの割合が増えてきました。そうなると、ケース単位で進めてきた自動化を、ピース単位に切り替えていかなければならない。ケースの場合は定型なので、ある意味簡単に自動化を進められましたが、ピースとなると話が違ってきます。

<デジタルピッキングシステム>

ダイフクのマテハン戦略 デジタルピッキングシステム

―― ケースとピースの違いとは。

阿武 ピースとなると、形や大きさ、そして材質も重量も千差万別です。これを自動化することは、物量、時間当たりに流れる量も劇的に変わってきます。ケースの場合は1時間あたり1万も流れれば十分でしたが、ピースになってからは桁違いになりました。その中で一番問題になるのがピッキングです。

―― ピッキングのどの面が課題なのでしょう。

阿武 BtoCのeコマースの場合、ロングテール商品(販売機会の少ない商品)を含め、全ての商品をピッキングしなければなりません。eコマースの特徴の一つが商品の品揃えですからね。物流センターが巨大化するのもよくわかります。今、eコマースの物流センターで最も人手が必要とされているのが、ピッキングエリアです。膨大なセンターの膨大な商品群の中から顧客のオーダー商品をピッキングしなければなりません。例えば、お茶一つとっても、さまざまな種類があり、形も重量も違います。そのため、ピッキングに関する自動化の要望は高いのです。

―― 確かに、eコマースの倉庫では、従業員確保が立地面と並んで重要視されてきました。

阿武 そうですね。最近、そのような物流センターを見ていますと、昼間は日本人が多く働く職場ですが、夜になれば外国人労働者の数が増えています。各社、人員の確保に大変苦労されていると感じています。

―― 現在、画像認識とかAIなどからのアプローチがされていますね。

阿武 確かに画像認識やAIの技術は急速に進歩していますが、実際にモノを掴むのはハンドです。材質面も含めて重さ、形、硬さ、柔らかさ等を瞬時に判断して、ハンドが適切に動かないと、機能しませんからね。

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