JILS/東京2020大会の物流課題について調査

2019年09月19日 

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は9月18日、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた物流課題」と題するアンケート調査の結果を発表した。

<大会に関する把握状況(2020TDM推進プロジェクトへの登録・認知度)>

調査結果によると、円滑な大会輸送と経済活動維持の両立を目指して国や東京都、東京2020組織委員会が進めている2020TDM推進プロジェクトに「登録している」は全体の2割、「輸送計画の状況を把握している」は3割で、「プロジェクト自体を知らない」は約半数に及んだ。「プロジェクト自体を知らない」は物流事業者が4割に対して、荷主が6割と多い傾向が出ている。

<大会期間中の物流対策 検討状況について>

大会期間中の物流対策については、「社内で検討している」が4割、「取引先と検討している」が3割、「検討していない」が4割だった。物流事業者では、特に総合物流業は約半数が取引先と検討しており、荷主は3割前後が取引先と検討していると回答。検討している取引先は、「物流業務委託先」が24%、「届け先(着荷主)」と「仕入れ先(発荷主)」が16~17%と多かった。

アクションプラン(大会期間中の行動計画)については、「作成にとりかかった」「トライアルを予定」「はじめている」が8.6%、「検討中で、まだ着手していない」が約半数だった。物流事業者に比べ、荷主の着手状況がやや遅れている。

<大会開催に伴う物流量の見込みについて>

大会開催に伴う物流量の見込みについては「増える見込み」「増える見込みはない」が各2割ずつ、「現時点ではわからない」が6割だった。荷主に比べ、物流事業者で「増える見込み」とする割合が多かった。

<大会開催に伴い必要とされる物流対策>

発荷主企業を対象とした、大会開催に伴い必要とされる物流対策については、
「大会期間中を避けた配送の計画(事前・事後の配送)」「混雑予想地域の配送の回避・迂回」が4割を占め、「納品時間の変更」「出荷、配送時間の変更」がこれに続いた。

物流対策を実施するうえでの問題・課題については、「着荷主の理解、協力」が4割で、「コスト」「労働力確保」と続く。「労働力確保」の内訳は「時間外の対応」が16.4%、「夜間の対応」が11.4%、「シフト変更」が10.6%などとなった。

<輸配送の状況について>

3PL・物流企業を対象にした輸配送・倉庫・保管スペースの状況についての質問では、輸配送について「トラック」「ドライバー」「荷役作業員」の順で、2割前後が確保できない可能性があると回答。倉庫、保管スペースの状況では、常温で4割が「不足する可能性がある」としており、7.8%が「新設を進めている」と回答した。定温(10~20℃)、冷蔵(0~5℃)、冷凍(-18~-25℃)でも、それぞれ1割弱が不足感を感じている。

<東京近郊の港湾についての懸念事項>

輸出入に関する項目では、東京近郊の港湾についての懸念事項として、「港湾エリアの渋滞」を半数以上が挙げており、「通関等の手続き時間」「積み下ろし時間」「倉庫スペース不足」がこれに続いた。

港湾エリアで足りなくなる倉庫スペースとしては、「常温」が2割強、「定温(10~20℃)」「冷蔵(0~5℃)」「冷凍(-18~-25℃)」が各6%となった。

特に影響を受けると思われる港湾エリアについては、「東京港」を半数以上が、「横浜港」を4割弱が挙げており、荷主よりも物流事業者で港への懸念が大きかった。

交通規制等の情報を大会前のいつ頃までに入手したいかについては、「3か月前」と「6か月前」がそれそれ4割で、荷主に比べて物流事業者の方がやや早めの情報入手を希望している。

このアンケートは、大会をロジスティクスと物流の視点から支援するため、現時点で想定される問題点や課題を関係者で共有する目的で、荷主や物流事業者などJILS会員企業をはじめとする463件を対象に、7月11日~22日にかけて行われたもの。

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