人手不足/「運輸・倉庫」などで高水準、多様な人材の活用に活路

2019年09月12日 

帝国データバンクは9月12日、人手不足の解消に向けた企業の意識調査を発表した。

就業者の増加傾向が続く一方で、2018年度の有効求人倍率は45年ぶりの高水準となるなど、労働需給のひっ迫度は増している。また、限られた人材の獲得に向けて企業間の競争が激化する一方で、求職者にとっては就業機会の拡大や賃金の上昇など明るい材料として捉えられるとしている。

調査結果によると、従業員が「不足」している企業が半数超にのぼるなか、不足している部門・役割は、「生産現場に携わる従業員」(57.2%)が最も高く、「営業部門の従業員」(47.7%)や「高度な技術を持つ従業員」(37.0%)も高い。

「生産現場に携わる従業員」と回答した企業は「製造」「運輸・倉庫」「建設」で高く、「工事現場の現場代理人が足りていない」(コンクリート製品製造、新潟県)や「慢性的にドライバーが不足している」(一般貨物自動車運送、福岡県)といった意見がみられた。

人手が不足することによりどのような影響があるか、については、「需要増加への対応が困難」が50.5%を占めた。なかでも、五輪関連などによる旺盛な需要が続く「建設」や、荷動きが活発な「運輸・倉庫」などで高水準となった。

人手不足の解消に向けての取り組みでは、「賃金水準の引き上げ」が38.1%でトップとなった。特に「中小企業」で数値が高く、人材の確保や定着に向けた方法として賃上げが重要視されている様子がうかがえる。次いで、「職場内コミュニケーションの活性化」(36.7%)、「残業などの時間外労働の削減」(35.0%)が続いた。

<人手不足の解消に向けて社会全体が取り組むべきこと>

人手不足の解消に向けて社会全体が取り組むべきこと

また、企業が望む人手不足の解消に向けて社会全体が取り組むべきことは、ハローワークなどの「職業紹介機能の強化・充実」が 32.6%でトップとなった。他方、「職種別採用の拡大」は 9.9%、「オファー型採用の拡大」は 4.8%となり、採用方法の多様化は 1 ケタ台にとどまった。

多様な人材の活用では、「シニア」が29.2%で最も高く、「女性」(27.9%)「外国人」(13.7%)と続いた。一方で「障害者」は 1.1%にとどまった。

<人手不足の解消に向けて取り組んでいること>

人手不足の解消に向けて取り組んでいること

人手不足の解消法としては、「賃金水準の引き上げ」が 38.1%でトップとなった(複数回答)。次いで、「職場内コミュニケーションの活性化」(36.7%)、「残業等の時間外労働の削減」(35.0%)が続き、「業務プロセスの改善や工夫」(31.3%)といった生産性の向上に向けた取り組みも上位にあがった。

企業からは、「働き方改革を進めることにより不利になる業種があるので、特性を見極めたうえで推進すべき(一般貨物自動車運送、群馬県)」、「扶養家族の社員などが、働きたいのに103万円の壁に阻まれて働けない。最低賃金だけどんどん上げるので、労働時間が減ることになり人手不足の解消にならない(段ボール箱製造、愛知県)」といった声もあった。

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