日販/サプライチェーン改革で持続可能な出版輸配送目指す

2019年05月31日 

日本出版販売は5月29日、2018年度の決算報告において、出版輸配送の課題を提起し、サプライチェーン改革によって持続可能な出版流通の構築を推進していくと発表した。

<運賃の状況(単体) >

主業務である取次事業で、雑誌、書籍の大幅な減収、物流コスト上昇に伴い減益、また、出版共同流通では業量減少に伴う減収、日販同様に物流コスト上昇により減益となった。

日販では今後も、日本全国へ商品を届け続けることを使命に、川上から川下までをスコープ範囲として、様々な制約を外し、全体の最適化を図っていくとしている。サプライチェーン改革を行うということで、「運賃高騰の抑制」「物流コストの削減」「コンプライアンス遵守」の実現を目指す。

サプライチェーン改革では、まず、業量平準化ででは、、毎月19~25日付近に集中している書籍搬入点数の分散化に取り組んでいる。業量が平準化されることにより、物流現場の作業効率やトラックの積載効率の改善、トラック待機時間削減によるドライバー拘束時間の緩和、即返品の抑制などに繋がるとしている。

データの標準化では、出版社に、JPRO(出版情報登録センター)への事前書誌登録をお願いしている。搬入日・判型・重量など、物流に関するデータを事前に入手することで、各所で効率的な作業工程を組み、物流コストを抑制する。

トーハンとの協業では、雑誌返品処理業務・書籍返品処理業務・書籍新刊送品業務の 3業務について協業を進めるべきであるとの合意に至った。今回の合意を皮切りに、2020年度以降順次、該当業務について両社が保有する物流拠点の統廃合を実行に移し、効率的な出版物流の実現を目指す。

また、他業界・他商材との共同配送では、北海道を中心に展開するコンビニエンスストアチェーン「セイコーマート」の流通を担当するセイコーフレッシュフーズと、小売店の販売商品について共同配送を開始した。

従来、出版物については専用の配送網を利用し、CVS・書店等の小売店に納品してきたが、共同配送により、北海道地区のセコマグループ店舗への納品については、セイコーフレッシュフーズの配送網を活用している。

出版物の流通量は今後も減少が予測されている。全国各地への出版物配送を継続するためには、各地域の特性を熟知したパートナー企業と協力し、他業界・他商材との共同配送を行っていく必要がある、としている。

なお、日販グループの2018年度決算の売上高は5457億円。雑誌を中心とした店頭販売の落ち込み、廃業店の増加等により5.8%減、333億円の減収となった。営業利益も10億円(56.6%減)、13億円の減益、経常利益は同じく10億円(57.5%減)、14億円の減益となり過去最も低い水準だった。

書店ルートの出版販売金額は、雑誌の低迷、書店の廃業、デジタル配信市場の伸張を背景に、2017年には、ピーク時の約半分まで縮小
。物流量、売上の減少により、近年著しく輸配送効率が悪化しており、このままでいくと、取次の社会的使命である出版物の「安定供給・安定配送」がままならない状況になりうるところまで追い込まれてきた。

様々な課題がある中で、出版輸配送を維持するために、送返品拠点の統廃合、同業他社との協業化等をすすめ、業界全体を巻き込んだサプライチェーン改革によって、持続可能な出版流通の構築を推進していくとしている。

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