日本郵船/着岸事故防止へ新システム開発、自動着岸にも応用

2019年03月12日 

日本郵船は3月12日、グループ会社のMTI、日本海洋科学と共同で開発した船舶の着岸操船を支援するシステムを公開した。

<新システム>
新システム

<電子海図(左)、気象データや自船のパラメータ(右上)、安全に着岸可能な状態かを色分けで示したグラフ(右下)>
電子海図(左)、気象データや自船のパラメータ(右上)、安全に着岸可能な状態かを色分けで示したグラフ(右下)

<シミュレーション時の様子>
シミュレーション時の様子

このシステムでは、岸壁までの距離、船舶の速力、船体性能に関するパラメータ、タグボートの配置や気象データなどの情報を解析し、現在の接触事故リスクを評価して可視化する。

操船者は、タブレット端末などで可視化された情報を元に岸壁との相対位置関係や接近速力を確認し、自船の事故リスクを把握することができるため、操船者の精神的負担の軽減や誤判断による接触事故防止につながる。

岸壁への着岸操作は、入港スケジュールや針路の確認に加え、潮流や風などの気象による影響、岸壁の異常、船の速度などを踏まえた判断が必要。操船者は、これらの判断と同時に、タグボートや乗組員への指示もこなさなければならず、業務負荷の重さが人的要因による接触事故を招きかねない。

岸壁への接触事故で桟橋や係留・荷役設備が損壊すると、最悪の場合、着桟・荷役ができなくなり、顧客の損失を招くとともに、信用の失墜にもつながる恐れがある。

接触事故の原因の7割は、スキルやストレスといった人的要因によるもの。そのため、新システムによって操船者の着岸作業を支援することが、事故の削減に大きく寄与することから、着岸接触事故ゼロを目指して新システムを開発した。

新システムは、すでに実船でのトライアルを完了しており、今後は、最終調整を経て2019年末までに日本郵船の管理船50隻程度へ順次導入し、さらなる安全運航につなげる狙い。

また、日本海洋科学を通した外販や、操船シミュレータとの連携による離着桟操船訓練の効果向上、さらには、日本郵船が取り組んでいる有人自律運船の自動着岸システムにも応用していく方針だ。

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