物流施設の需要/2020年以降も堅調、物流業界の構造的変化が牽引

2019年01月10日 

CBREは1月10日、特別レポート「Japan Market Outlook 2018(不動産マーケットアウトルック2018)」を発表した。

このレポートでは、オフィスマーケット、物流(施設)マーケット、リテール(路面店舗)マーケット、不動産投資マーケットのそれぞれについて、2017年の振り返りと2018年以降の見通しをまとめている。

物流マーケットは、首都圏・近畿圏・中部圏のいずれも供給が潤沢で、2020年まで堅調な拡大が続くと予想。需要面もEC市場の拡大と省人化ニーズの増加を受けて伸長し、高水準で需給バランスが安定すると見ている。

需要拡大の要因は、景気回復よりもEC市場の拡大や雇用不足対策としての自動化装置・ロボティクスの進展といった物流業界の構造的変化による影響が大きく、この構造変化によってもたらされる需要は、2020年以降も5~10年程度の期間にわたって続く見通しだ。

<首都圏の空室率>
首都圏の空室率

<首都圏の実質賃料指数>
首都圏の実質賃料指数

地域別では、首都圏での大型マルチテナント型物流施設(LMT)の新規供給は、2018年に46万坪、2019年に62万坪と2年連続で過去最高を更新する見込みだが、EC企業や物流企業がまとまった面積を確保するため、2019年末時点の空室率は6.3%程度に留まる見通し。

2020年の新規供給は現時点で33万坪と、2年続いた大量供給はひとまず一服するとみられており、空室率は低下に転じ、2020年末時点での空室率は5.8%と予想している。

エリア別の空室率は東京ベイエリア、外環道エリア、国道16号エリアが3%以下と低水準で推移するのに対し、圏央道エリアでは20%程度と、エリアによる空室率の格差が大きく、しばらくはこの状況が継続するとみている。

特に、外環道エリアでは2018年第一四半期に竣工した1物件を除き、LMTの空室が全く無い状態。

周辺に住宅地があり雇用確保に安心感があることや、都心へのラストワンマイル配送に適した立地からEC事業者によるニーズが高く、2019年竣工予定の物件でも満床となっているものがあるなど、今後も2.0%以下とタイトな需給バランスが続く見通しだ。

<近畿圏の空室率と実質賃料指数>
近畿圏の空室率と実質賃料指数

近畿圏では、湾岸部での需要が回復し、大坂と兵庫県の内陸部では引き合いが増加していることを受けて、2018年に新規供給の20万坪を上回る23万坪の需要が見込まれている。

2019年の新規供給は過去3年間平均の半分程度となる10万坪にとどまるが、2020年には兵庫県尼崎市で延床面積11万坪超と国内最大規模の開発計画があるため、空室率が上昇すると予想している。

<中部圏の空室率と実質賃料指数>
中部圏の空室率と実質賃料指数

中部圏では、2019年に新規供給が過去最大の10万坪となるも、2020年の供給は6万坪程度にとどまる可能性があり、空室率は2019年の14%程度から低下し、2020年末には10.6%となる見通し。

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