物流最前線/パスコ 島村秀樹社長 対談 ナビタイムジャパン 大西啓介社長

2018年11月26日 

パスコ 島村秀樹社長×ナビタイムジャパン 大西啓介社長

測量・計測を軸とした空間情報サービスの大手であり、物流面でも配車管理ソリューション等でサービスを提供しているパスコとスマートフォン向けのナビゲーションサービス大手でトラックカーナビも提供するナビタイムジャパンが9月4日、業務提携を発表した。

大手同士の提携だけに、業界に与える影響も大きい。

その提携の狙いとは何か、提携の先に見据えているものは何か、さらに、物流業界の課題等に今後どう向き合っていくのかをパスコの島村秀樹社長とナビタイムジャパンの大西啓介社長に自由に語り合ってもらった。

<2社連携イメージ>
2社連携イメージ

<パスコの島村社長(左)、ナビタイムジャパンの大西社長>
パスコの島村社長(左)、ナビタイムジャパンの大西社長

提携はすぐに決まった。補完し合う理想的な組み合わせ

―― 9月4日の提携に至る経緯から

島村 私どもは配車管理や動態管理システムを提供しています。その開発を行っているシステム事業部から、「スマートフォンでのナビゲーションは、ぜひとも、ナビタイムさんと組みたい」との提案が挙がってきました。当然、自社開発するという選択肢もありましたが、開発リソースが不足している状況の中で、何よりも、日々進化するスマートフォンに対応していく必要性を感じていたようです。

大西 パスコさんは前々から存じていました。私どもも簡単な配車計画システムを作っていましたが、アルゴリズムが難しく、非常に複雑なものだという認識を持っていました。そういう時に、パスコさんからお声掛けいただき、それなら一緒にやりませんかとなったわけです。その後はスムーズに話が進みましたね。

島村 私も全く違和感はなかったですね。ナビタイムさんはナビゲーションでは最大手で知名度も抜群です。また、実績や保有する技術についても良く存じていました。つまり、私どもの技術で弱い部分に対して、ナビタイムさんはかなり強力なツールをお持ちになっているとの認識でした。したがって、特に躊躇することなく承認しました。

大西 スマホのナビゲーションアプリ開発に課題をお持ちだったと聞きました。

島村 私どもは自社で開発したアプリを持っていましたが、バージョンを変えるとなるとさまざまなテストが必要になり、それをおろそかにするとサービス品質の低下につながります。アプリ開発というのは、最初は意外とうまくいくのですが、進化させていく、機能を増やしていく過程では必ず何らかの障害がつきものです。例えば、処理スピードが落ちるといったことがあります。私どもの開発部署で、スマホのアプリ開発では苦労していたようです。

大西 そうですね。パスコさんの事業部の方からお話をお聞きすると、スマホのアプリは最初の1回はスムーズに作れるが、その後の機種変更、バージョンアップに合わせた更新、その後のテストも大変な手間になるとのことでした。その点、私どもはスマホのコンシューマー向けの開発を行っていますので、さまざまな機種に合わせた開発は得意分野の一つでした。私どもは動態管理システムを開発する前からコンシューマー向けのアプリの開発で、数千台の端末で試験を繰り返し行ってきました。

島村 物流業務の中で、スマホは、コンシューマーに近い方々が利用することになります。そのために、私どもが当初想定していた仕様以外の要求が増えてくる可能性がありました。ユーザーの要求には応えていきたいが、多大な投資をするわけにはいかない。その意味でも、早く提携を決めたかったわけで、提携に至るまでの期間は相当短かったと言えます。

大西 両社間で問題となるようなこともありませんでした。お互いに最初から早く提携した方が良いと思っていましたので、協議期間は短かったです。最初の話が約1年前で、具体的に提携の話になったのは発表の約3か月前です。物流業界の抱えている課題に対して両社が提携することで、一気通貫で解決できることが分かっていました。まさに補完し合える関係が構築でき、業界に貢献できる形ができたものと思います。

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