物流最前線/ZMP 谷口 恒社長(トップインタビュー)

2018年10月22日 

もう自動化は後戻りできない、本格ロボット時代の幕を開ける

ZMPの谷口 恒社長は「ZMPはモノや人の移動を自動化することがコア技術でありミッションだ」と話す。モノや人の移動の自動化を目指し、2足歩行の人型ロボットの開発からスタート。自動車の自動運転、ドローン等、さまざまな分野でロボットの開発を進めてきた。物流分野では、物流支援ロボットの「CarriRo」や宅配ロボット「CarriRo Delivery」を開発。そして今、「デモは卒業、商業化へ」のスローガンのもと、本格的な拡販体制構築へのスタートをきった。

<ZMP 谷口 恒 社長>
ZMP 谷口 恒 社長

目と頭脳と自律走行技術が核、モノと人の移動自動化目指す

―― ZMPは、物流支援ロボットや自動車の自動運転、ドローンの開発など、さまざまなロボットの開発を進めていますが、ロボット開発に至った経緯とは。

谷口 ZMPは2001年に設立しましたが、元々は文部科学省の研究として、2足歩行の人型ロボットの研究・開発を行っていました。2004年に人型ロボットを開発、2007年には、2足歩行を2輪に変えたロボットを開発。それに、音楽サービスという付加価値をつけて発売しました。銀座のアップルストアでも販売し、その後も爆発的に売れると思っていたのですが、折からのリーマンショックにより、撤退せざるを得なくなりました。

―― 2足歩行を2輪に変えたのは。

谷口 2足歩行の技術は非常に難しく、開発には莫大なコストと時間が必要です。例えば、どんな階段も自由に上り下りできる2足歩行のロボットは世界中の現在の最先端の技術を持ち寄っても無理です。開発には10年以上の期間と莫大な資金が必要でしょうね。そこで、今あるインフラをできる限り利用して、できることから自動化を進めようと。

―― 音楽サービスを付加したロボットとは。

谷口 このロボットは自律移動ができるもので、例えば、朝、決められた時間にベッドまで来て、音楽を鳴らして起こしてくれる、新しいミュージックライフの提案でした。しかし、BtoCの製品は、消費者向けに量産化してコストを下げることが絶対的に必要だったのですが、ベンチャーキャピタルから融資を得ていたベンチャー企業そのものだった弊社にとっては荷が重く、これまで蓄積した人型ロボットの技術を基に新たなジャンルに挑もうと考えました。

―― 新たなジャンルとは。

谷口 自動車分野です。これまでの蓄積した技術が生きるもので、人型ロボットの目と頭脳、音楽ロボットの自律走行の技術を盛り込んだ自動運転の自動車です。最初に1/10サイズの自動運転の自動車「RoboCar」を開発し、2009年に発売。それから一人乗りの「RoboCar MV2」を開発、2012年にはプリウスの自動運転、その後、人や機材の積載性を向上させた「RoboCar MiniVan」や、走破性やラグジュアリー感を向上させた「RoboCar SUV」を販売開始。また、人の輸送に特化した小型電動バスタイプの「RoboCar EV-miniBUS」、ミニバンタイプの次期モデルについても開発を行っています。

―― 目と頭脳、自律走行の技術が基本だと。

谷口 ZMPの強みは、目で周りの状況を認識・把握し、移動を自動化する技術を蓄積してきました。この2つの技術がコア技術であり、これらをモジュール化してデバイスとして持っています。目の部分は「ロボビジョン」、頭脳は「アイザック」と呼んでいます。この「ロボビジョン」、「アイザック」を車に載せると「RoboCar」になるわけです。物流支援ロボットの「CarriRo」や「CarriRo Delivery」にも、同様のものを搭載しています。ZMPはモノや人の移動を自動化することがコア技術で、ミッションとしています。

<「RoboCar」の最新モデル「RoboCar SUV」>
「RoboCar」の最新モデル「RoboCar SUV」

<「CarriRo」>
「CarriRo」

<カルガモ機能で「CarriRo」を連結>
カルガモ機能で「CarriRo」を連結

<「CarriRo Delivery」>
「CarriRo Delivery」

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