日本郵便/コンテスト採択2社と郵便・物流のバリューチェーン変革

2018年10月16日 

日本郵便とベンチャーキャピタルのサムライインキュベートは10月15日、日本郵便のオープンイノベーションプログラム「POST LOGITECH INNOVATION PROGRAM 2018」の採択企業2社を決定した。

<採択企業2社のイメージ(左)Rapyuta Robotics、(右)エー・スター・クォンタム>
採択企業2社のイメージ(左)Rapyuta Robotics、(右)エー・スター・クォンタム

このプログラムは、日本郵便とサムライインキュベートが2017年度に実施した日本郵便初のオープンイノベーションプログラムの第2回目にあたり、「郵便・物流のバリューチェーン全体をテクノロジーで変革する」をテーマに7月5日から企業の募集を開始したもの。

応募のあった70社のスタートアップ企業のうち、「革新性」「課題解決性」「実現可能性」「共創意義」の観点から、ロボットシステム開発を手がけるRapyuta Roboticsと、量子コンピューター向けソフトウェア開発のエー・スター・クォンタムを採択企業に選んだ。

今後、両社は2019年2月のデモ実証を目指し、日本郵便とサムライインキュベートによる出資を受けて、提案した内容の実現に向けた取り組みを推進。また、デモ実証後も日本郵便が持つ郵便・物流ネットワークを活用した実験によって、数年をかけて技術の向上を図っていく。

<ゆうパックの区分ライン>
ゆうパックの区分ライン

<ロボット化を検討する区分ラインへの荷上げ>
ロボット化を検討する区分ラインへの荷上げ

Rapyuta Roboticsは、同社のクラウドロボティクス・プラットフォーム「rapyuta.io」を用いたロボットによって、物流拠点でのベルトコンベヤーへの荷物の上げ降ろしを自動化する技術について検討を進める。

まずは、新東京郵便局のゆうパック区分ラインで行っているカゴ車からラインへの荷上げと、ラインからカゴ車への荷下ろしを自動化し、将来的には技術の向上で、形や大きさ、重量が荷物によって異なる郵便物の区分ラインでの荷上げ・荷下ろしにも対象を広げていく。

一方、エー・スター・クォンタムは処理速度の非常に速い量子コンピューター技術を活用したシミュレーションによって、各地域ごとのハブ拠点である地域区分郵便局間の運送便ダイヤについて最適化を図る。

<(左)日本郵便・事業開発推進室の地引担当部長、(右)サムライインキュベート・エンタープライズグループの富樫マネージャー>
(左)日本郵便・事業開発推進室の地引担当部長、(右)サムライインキュベート・エンタープライズグループの富樫マネージャー

採択企業の選定について、日本郵便・事業開発推進室の地引功担当部長は、「革新性や課題解決性といった内容のほか、2019年2月に予定しているデモ実証までの期間で、より良い成果が上げられるかを選定の基準した。2017年度の第1回目で選定した企業については、埼玉の草加や東京の練馬、名古屋といった各地域区分郵便局などで実証実験を行い、成果を上げている。今回採択した2社についても、良い成果を期待したい」とコメント。

また、サムライインキュベート・エンタープライズグループの富樫憲之マネージャーは、「採択した2社の事業化には大きな自信を持っている。投資先を選ぶ上で、技術やビジネスの点で差別化ができるかに加え、熱意を持っているかを基準にしている。Rapyuta Roboticsはスイスやインドにも開発拠点を持っており、海外の技術や人材が豊富。また、エー・スター・クォンタムは東京工業大学の西森秀稔教授とともに量子コンピューター技術の開発・研究に取り組んでおり、2社ともに提案された事業への熱意を感じた。今回、2社と日本郵便による強力なタッグが出来たと思う」と語った。

最新ニュース