公取委/物流共同化のための物流情報共有、独禁法上問題なし

2018年06月27日 

公正取引委員会は6月27日、独占禁止法に関する相談事例集(2017年度)を公表した。

そのうち、物流関連では、家電製品メーカー6社が、将来における物流業務の共同化の実現性及びそのスキームを検討するために情報の共有化を行ったことを挙げている。

このことは、共同行為・業務提携に関するものとして、競合する家電製品メーカーによる配送の共同化のための情報共有について独占禁止法上問題となるものではないと回答した事例となっている。

<概要イメージ>
概要イメージ

6社の相談の要旨は、それぞれ家電製品を全国の在庫拠点から販売先の全国の卸売業者や小売業者等に配送しており、この拠点での家電製品の荷役、保管及びこの拠点からの配送の業務を倉庫業者、運送業者等の物流業者に委託している。

6社がそれぞれ製造販売する家電製品の販売価格に占める物流経費の割合は、各社いずれも約5パーセント。

物流分野では,トラックドライバー、倉庫労働者等の人材不足による将来的な配送力の低下が懸念されており、家電製品に係る物流業務の効率化を図ることが、6社共通の課題となっている。

そこで、家電製品の流通経路がおおむね共通する6社は、将来での物流業務の共同化の実現性及びそのスキームを検討するため、情報を共有したいとしている。

ただし、共同配送の可否等の検討は限られた部門・人員で行い、検討に必要な情報は当該部門・人員内のみで共有するよう適切な情報遮断措置を講じる。

共有したい情報として、「各在庫拠点の納品先の名称及び納入条件、配送業者の名称及び契約条件」「各在庫拠点において保管・配送する家電製品の容積」「各在庫拠点における家電製品の大きさ(大・中・小)ごとの荷役、保管及び配送の原価」「家電製品の引渡し方法,納品伝票の様式等」としている。これらは家電製品の価格と数量に関する情報は共有しない。これらの取組について独占禁止法上問題がないかどうかを問うたもの。

回答では、我が国の家電製品Aのメーカーである2社、家電製品Bのメーカーである3社及び家電製品Cのメーカーである1社の6社が、将来における物流業務の共同化の実現性とそのスキームを検討するために各社の物流業務に係る情報を共有するものとした上で。

「家電製品A、B及びCの製造販売市場における相談者の合算市場シェアは約20%から約70%にまでに及ぶものの、6社がそれぞれ製造販売する家電製品の販売価格に占める各社の物流経費の割合(共同化割合)はいずれも約5%と小さいことから、家電製品それぞれ(A、BまたはC)の製造販売分野における競争を実質的に制限するものではないこと」。

また、「家電製品の価格又は数量に関する情報は共有しないこと」「共同配送の可否等の検討は限られた部門・人員で行われ、検討に必要な情報は当該部門・人員内のみで共有されるよう適切な情報遮断措置が講じられること」から、独占禁止法上問題ないとしている。

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