道経連/食品産業を支える物流ネットワーク必要

2018年06月22日 

北海道経済連合会は、地域政策委員会 物流プロジェクトチームによる「北海道における食関連産業を支える物流のあり方」~北海道の食産業の発展と活性化につながる物流システムの実現に向けて~を公表した。

<食関連産業を支える物流の課題と提言>
食関連産業を支える物流の課題と提言

食関連産業を支える物流の課題を整理するとともに、移輸出拡大に繋がるコスト構造改善・効率化に向けた方策を検討し、さらに個々の企業の自助努力だけではカバーしきれない部分について国や道に求められる支援を提言としてとりまとめた。

提言では、現状を分析後、「出荷量の平準化・片荷問題への対応」、「輸送能力低下への対策」、「シームレスな物流ネットワークの構築 ~交通基盤の強化と効率化」、「輸出拡大に向けた支援」を挙げている。

「出荷量の平準化・片荷問題への対応」では、加工/貯蔵施設の構築に向けた取組みとして、出荷量の調整や市場ニーズに対応したタイムリーな出荷に向けて、道内倉庫の老朽化への対応、拠点となる地域での複数の温度管理や加工処理など高機能を持つ冷凍冷蔵庫による長期保管を進めていく必要があるとしている。

こうした加工/貯蔵施設は、加工事業者の集積促進・育成や、加工原料を上手に集めて高次加工し移輸出していくという流れを効率的なものとしていくこと等を考慮すると産地よりもむしろ臨海地帯での整備の方が望ましい。加工・貯蔵施設は初期投資も多大なものであることから、企業の自助努力のみでの解決は困難であり、国・道などによる助成制度や税制の優遇制度など支援をお願いしたい、としている。

情報共有化システムの構築では、物流事業者と荷主の協働を通じ、加工に活用できる原材料(一次産品)の量、コンテナ、輸送ルート、トラック等の稼働状況、保管スペースの空き状況等に関して情報の共有化が必要である。復荷の確保の視点から、こうした情報は道内事業者のみでなく、道外から道内への物流を担う企業とも共有化を図る必要があるとしている。

具体的な取組として、道内外のサプライチェーン全体での IoTの活用による荷物・コンテナ・輸送車両等の稼働状況・コンテナ等の空き状況の把握といった「可視化」や、ビッグデータや AI の活用による輸送ルートの最適な選択、荷役作業等におけるロボット活用、過疎地の小口輸送でのドローンの活用など先進的な物流技術の導入などが挙げられる。

そのため、新規システム等への設備投資補助、システム規格の標準化に向けたサポート、寒冷地対応や片荷解消効果検証など北海道の地域特性に係る実証実験など、国・道による資金面、制度面での支援をお願いしたい、としている。

「輸送能力低下への対策」(トラックドライバー不足などへの対応)では、自動走行技術活用に向けた取組みでは、現在進行している寒冷地での自動走行技術活用に向けた取組みを強化し、まずは道内の高規格道路での走行実験への支援をお願いしたい、としている。

また、ドライバー不足や移動時間の短縮、運転の安全確保に向け、計画中の高規格道路網の早期整備や二車線区間の解消などの取り組みが求められる。鉄道等、他の輸送手段についても災害対応等の観点から複数の輸送手段の保持が望ましい。地元企業にとっては輸送手段の確保は死活問題となりかねず、路線撤廃の不安感から、地域経済の減衰が懸念されるためである。

さらに、現在進行している寒冷地での自動走行技術活用に向けた取り組みを強化し、まずは道内の高規格道路での走行実験への支援をお願いしたいとしている。

そのほか、港湾施設整備、鉄道施設整備空港施設整備等も合わせて挙げている。

レポートの最後、物流については、特にトラック運転手不足による輸送力の低下から、今後北海道の農水産品が運べなくなる懸念があり、いかに効率良く運ぶかは、喫緊の課題である。

今までのように当たり前にモノを運んでいた時代から、物流の限られたリソース(人材・機材)を事業者間で連携を深め、情報を共有しながら事業を進めて行く時代が来ていることを強く感じたと解説している。

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