ヤマトHD/働き方改革を中心に据え、3つの構造改革断行

2018年03月09日 

ヤマトホールディングスは3月9日、「KAIKAKU 2019 for NEXT100」の進捗状況をヤマトHDの山内雅喜社長、ヤマト運輸の長尾裕社長が出席して説明した。

「KAIKAKU 2019 for NEXT100」は、2019年11月にヤマト運輸が100周年を迎えるにあたって、次の100年もヤマトグループが持続的に成長していくための経営基盤強化を目的とし、働き方改革と3つの構造改革を断行するとした経営戦略。

<山内社長>
山内社長

山内社長は冒頭「ヤマトグループが社会のインフラとして、健全に、かつ継続的に成長するために、構造改革を断行していく。少子高齢化、労働力不足、ライフスタイルの変化、デジタル化の進展と、ビジネスを取り巻く環境は大きく変化している。改革のど真ん中に「働き方改革」を据え、3つの構造改革を果たしていく」と話した。

3つの構造改革とは、「デリバリー事業の構造改革」、「非連続成長を実現するための収益・事業構造改革」、「持続的に成長していくためのグループ経営構造改革」。この3つの改革を「ガバナンスの強化」と「デジタルイノベーション」を土台に進めていくとしている。

<長尾社長>
長尾社長

デリバリ―事業について説明した長尾社長は「昨年10月から運賃改定をしたが、先んじて法人企業には、交渉、議論を進めてきた。結果、我々のサービスが提供できるキャパにようやく近づいた感じだ。ただ、このまま、縮小するわけにはいかず、キャパを短期に適切に拡大していく予定だ。働き方改革ではアンカーキャストの採用。業務のピークは1日約3回、前半の2ピークをセールスドライバー(SD)が果たし、午後のピークにアンカーキャストに担ってもらう複合型のラストワンマイルの手法に着手している」と話した。

アンカーキャストについては、SDが集配や接客、セールス活動を含めた多岐なサービス提供が必要な業務と比べ、午後の時間帯の配送中心の業務を考えている。人員については、その半分程度は内部の社員やパート、残り半分を新規採用するとしている。

オープン型宅配ボックスPUDOについては、現在2400台設置、3月末までに目標だった約3000台に達するとしている。当初は台数をいかに増やしていくかが主眼だったが、今後は新たな使われ方の提案や、設置場所の多彩化、宅配事業者の拡大等が主眼となる。

国土交通省と実証実験を行っている「25mのフルトレーラー」は現在、厚木ゲートウェイ(GW)と関西GW間を交互に運行している。途中の中部GWでドライバーが乗り換えている。今後、自動隊列走行もあるが、当面2台分の効率化を果たせる「25mのフルトレーラー」を各社が自社保有するのではなく、シェアリングした形がベターとしている。

山内社長は今後の成長分野として「一つはグローバルと法人、もう一つは小口保冷輸送を成長分野ととらえている。グローバルでは、アジア、アセアンを中心にネットワークを構築する。自社だけで構築するのではなく、エリア毎にアライアンスを組み展開する。小口保冷輸送では、小口コールドチェーンとしてキラーコンテンツ化していく。国際基準のPAS1018も取得済みだ」と話す。

PAS1018はヤマト運輸、沖縄ヤマト運輸、雅瑪多(中国)運輸、香港ヤマト運輸、シンガポールヤマト運輸、マレーシアヤマト運輸の計6社が2017年5月14日に取得している。

なお、宅配便クライシスと呼ばれたこの1年を振り返り、山内社長は「宅配便や物流に国民の関心がかつてないほど高まったように感じる。サービスとコストがさまざまに議論され、我々も気の引き締まる思いだ」。長尾社長は「改革真っ最中で先はまだまだあると思っている。トラック運賃は年々下がり、正当な評価を受けるに至ってなかった。どう物流のステータスを挙げていくか、さらには省人化、IoT化等で、さらなる効率化も求められている。やはり気が引き締まる思いだ」と話した。

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