採用動向レポート 「インサイドストーリー」/サプライチェーン編

2018年01月26日 

外資系人材紹介会社ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン(以下:ヘイズ・ジャパン)は、採用動向レポート「インサイドストーリー」サプライチェーン編を公開した。 

レポートでは、レジリエンス(回復力)において世界有数である日本型サプライチェーンは、危機対応の面でほぼ敵なしの状態だったものの、世界的なシステムの変化に伴い後れを取っている感があることを示唆している。

日本とEUの大規模な貿易協定の合意を受け、国内のサプライチェーンは対応の準備を整えているが、そのためには有能な人材の育成が必要としている。

ヘイズ・ジャパンのマネージング・ディレクター、マーク・ブラジによると、日本のサプライチェーンはこの1年で、単なるコストセンターとしての役割から脱却、セルフ・イネーブルメントに向けた第一歩を踏み出すことによって売上に貢献し、コマーシャルな側面に注力すべく成長している。

「日本のサプライチェーンで重視されてきたのは障害除去活動やトラブル処理であり、そこが得意分野でもありましたが、テクノロジーやプロセスの面では他国に5年近く遅れをとっています。ところが去年になって状況に変化が見られました。日本がセールス・イネーブルメントに欠かせない重要なパートナーとなり、今までにない積極的な姿勢が出てきたのです」とマークは述べている。

この変化から生じた主な進展は「需要予測」の構築。需要予測はこの2年間で日本に新たに出現した職務機能。

「組織がデータの統合、在庫・発注の最適化を模索し、サプライチェーンと販売・営業の連絡調整を図る中、『需要予測』のポジションへのニーズは高まっていました。ところが、日本のサプライチェーンがこれまで行ってきた受け身の経営手法により、販売・営業側に異を唱えることができる積極的な人材は少なく、今回の需要はあと2年続く可能性が高いことから、人材難はさらに悪化すると思われます。」

増加傾向にあるサービス通知の受入れが始まる中で、インダイレクト・プロキュアメント分野の候補者の重要性は増し、今、彼らは企業でより注目されるポジションに就いている。

「コスト削減対象がソフトウェアであれ、人材であれ、倉庫管理であれ、ますます多くの企業がインダイレクト・プロキュアメント部門を集約し、チーム作りのために専任マネージャーなどを配置するほど、この1年でインダイレクト・プロキュアメントの重要性が高まってきています」とマークは語る。

ところが、「需要予測」のポジションもそうだが、受け身の従業員が多い日本ではインダイレクト・プロキュアメントの役割を果たせる人材を探すのは困難。そんな中、企業は自社内で人材育成に乗り出している。

「製薬会社や消費財メーカーなど、一部の大企業は特定のサプライチェーン部門を念頭に育成プログラムを策定しています。例えば、従来型のゼネラリストとは対照的なスペシャリストの育成を意図し、購買、ロジスティクス、企画など、異なるサプライチェーン部門でローテーションを組む3か年プログラムなどがあります。」

サプライチェーン業界がよりアクティブで商業指向のセルフ・イネーブルメント・オペレーションに移行する中、様々なスキルが求められている。

「中堅レベルの候補者として、サードパーティロジスティクスや国内輸送業での経験者が求められています。理想を言えば、海外部門とのプロジェクト管理の参画やイノベーション戦略の実行の経歴を持つ人材です」とマークは述べる。

「上級レベルの候補者として、サプライチェーン全体の監督または、より規模の大きな企業での主要部門長の経歴を有する人材が求められています。中でも企業は、管理施策の変革、システム統合、プロセス導入等を推進してきた実績の有無を重視しています」

必要なスキルを持つ人材には多くのポジションが用意されているが、給与の大幅な増額は期待できず、標準は8~10%程度の増額に留まる。

ただし、ワークライフバランスの改善を期待する候補者はそのニーズに応えてもらえる公算は高く、企業側もワークライフバランスの改善を推進したいと考えているからで、サプライチェーン業界で働く多くの女性にとってプラスだという。

「実際にわたしが見てきた候補者の少なくとも7割の候補者は、上位3つの要求項目のひとつに適切なワークライフバランスを挙げています。サプライチェーンは女性主導の市場であり、多くが家事と仕事の両方を行っています。幸運にもこの部分について企業側は融通が利くので、フレックスタイムや在宅勤務などの候補者要望に応えることが可能です」と、ヘイズ・グレーターチャイナ担当マネージング・ディレクターのサイモン・ランスは述べている。

「いまだにマネジメント上層部の8~9割を男性が占める一方で、ワークライフバランスは改善している状況にあります。企業側は、優秀な女性候補者にインセンティブを与え、多様性の改善に取り組んでいます。」

■国内サプライチェーンのその他のトレンド概要

多国籍企業では、スタッフトレーニングを補完する目的で、グローバル本社から専門家を派遣し、日本支社で新しいプラクティスを実施する傾向が高まっている。

欧州や太平洋沿岸諸国との経済連携の構築を目指す日本において、グローバルな経験を持ち英語を流暢に話せる人材へのニーズが高まっている。

より新しい革新的なシステムやテクノロジーを受け入れることができるバイリンガル候補者が最強のポジションにいる。

この数年間、候補者が不足している分野で人材を確保すべく企業の動きが加速する中で、採用プロセスの加速化も進んでいる。

大手の物流会社がe-コマース急増による需要対応に苦慮する中で、「ラストワンマイル」がますます重要な課題になってきている。

■日本のサプライチェーン業界の動向に関するヘイズのインサイドストーリー
https://www.hays.co.jp/TheInsideStory/HAYS_1939430

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