次世代 物流オープンデータ活用コンテスト/岡山大学が優秀賞

2017年11月13日 

フレームワークスは11月13日、「次世代ロジスティクス物流オープンデータ活用コンテスト」を開催し、入賞作品を発表した。

<受賞者、審査員、主催者>
受賞者、審査員、主催者

優秀賞に輝いたのは、西良太氏と乃村研究室の仲間達 (岡山大学)による「Pigeon」で、「HEMSに関するオープンデータ」から、ディープラーニングを用いて将来の電力、ガス、水道使用量を予測し、それをもとに在宅予測を行うアプリケーションの提案で、ネットショッピングの普及にともない拡大を続ける宅配業界の課題である再配達件数の削減を目指すもの。

HEMSは、ホームエネルギーマネジメントシステムの略。家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム。ディープラーニングは、コンピューターによる機械学習で、人間の脳神経回路を模したニュートラルネットワークを多層的にすることで、コンピューター自らがデータに含まれる潜在的な特徴をとらえ、より正確で効率的な判断を実現させる技術や手法。

コンテストは、物流システムに関連したデータをはじめ、提供いただいたデータをオープンデータとして公開し、これを利用するアプリケーションや研究レポートを募った。

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所との共催で、INIAD cHUB(イニアド シーハブ)東洋大学情報連携学部 学術実業連携機構の協力により、4月28日から9月27日にかけて実施した。

受賞作品は、坂村 健(東洋大学情報連携学部 INIAD学部長、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 所長)を審査員長とした審査会による厳正な審査により決定した。

審査員長の坂村健氏による講評では「前回とは異なる傾向の作品が多数寄せられた。特に、AI(人工知能)技術への世界的な高い注目も背景に、ディープラーニングをはじめとした、AI技術・機械学習技術を活用した作品が多く寄せられた。

優秀賞に選ばれた「Pigeon」は、まさにその代表例と言える。大和ハウス工業が公開したHEMSデータをもとに、ディープラーニングを活用し将来の在宅確率を予想することで再配達の負荷を軽減する。ネット通販拡大による物流業界の疲弊という、ある意味ではICTの負の側面を、オープンデータと人工知能という最先端のICTで解決しようという姿勢は、高く評価できる。

物流業界に対する具体的なビジネス提案が多く寄せられたのも印象的だった。そのような作品の中からは、特に物流業界の現場のニーズを理解して実用的なビジネス提案を行った「物流管制システムV2」「配送先開拓サービス」と、斬新なビジネス提案を行った「試着へGO!」、グローバル化が進む物流業界の今後を予見させる「Smart Truck Delivery Planner (STDP)」がそれぞれ、審査員特別賞に選ばれている。

一風変わったところでは、「物流データを雲のように表現する」というコンセプトの作品である「”クラウド”のデータビジュアライゼーション」も審査員の好評を集め、審査員特別賞に選ばれた。

そのように多数の独創的な提案が寄せられたが、アプリケーションとしての総合的な完成度の観点をあわせて考え残念ながら最優秀賞は「該当なし」とした。

AI技術の活用には大量のデータがあることが前提となる。応募された数々のアイデアの実用化に向けては、より多くのデータが、よりリアルタイムに得られる必要がある。本コンテストが今後フレームワークスを中心に物流業界のみならず様々な関連業界にオープンデータの輪を広げ、さらなるイノベーションのきっかけになればと期待している。

なお、12月13日から12月15日(金)に東京ミッドタウンで開催される「TRONシンポジウム」で、今回の内容を踏まえて「次世代ロジスティクス」に関するセッション(12月15日)をおこなう。

■入賞作品:賞/作品名、応募者名(チーム名)
優秀賞:Pigeon/西良太と乃村研究室の仲間達(岡山大学)
審査員特別賞:
物流管制システムV2/Team Logistics Explorer(ウイングアーク1st)
配送先開拓サービス/Team Logistics Explorer(ウイングアーク1st)
試着へGO!/スリーフォレストODCプロジェクトチーム
Smart Truck Delivery Planner(STDP)/Team Custommedia Sdn Bhd(マレーシア)
”クラウド”のデータビジュアライゼーション/田部 景思郎

■TRONシンポジウム
http://www.tronshow.org/

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