物流最前線/ラサール不動産投資顧問の挑戦

2017年09月11日 

顧客フォーカスを徹底し、1歩先を行く

―― 今後の物流施設開発の展望は。
中嶋 先ほど空室率アップの話がありましたが、現在は2008年の状況に似ています。当時はリーマンショックもあり、供給に対して需要が一時的に止まりました。その波が落ち着くと空室率は下がりました。今回はスケールが違います。供給のスケールが何倍にもなっており、それに需要がどこまで追い着いてくるか。ここ1?2年が勝負だと思っています。新しく参入されたデベロッパーさんは最初の試練だと思います。ここを乗り切ると、産業界の中で立派に一本立ちした業界になると思っています。

―― 日本経済の牽引役がEC業界ですが、この動きは。
永井 ECのテナントは確かに多くなってきました。これは、小売のフォーマットが変わってきたことに起因すると思います。リアル店舗で買い物をするより、ネットで注文する形態になりつつあります。ECも以前は大手企業だけでしたが、最近は中小の企業でもフルフィルメントセンターを求めることが増えてきました。ネットを立ち上げて、オンラインショッピングを始めるなど、自分たちで自由にコントロールできるように、倉庫1棟まるごと欲しいという企業もあり、動きは急です。ロジポート狭山や相模原もそういう動きでしたね。

―― 今後の開発・竣工予定は
永井 4月に竣工したロジポート堺のマルチテナント分も含めると、2017年から2019年にかけて、60万m2の開発となります。

―― これまでの開発で印象的なことはありますか。
永井 2014年に40数年振りの大雪があった時、倉庫も敷地内道路も雪に埋もれてしまい、稼働できない状況になりましたが、営業マンが現地に出向き雪かきを行いました。その過酷さはスコップが何本も折れるほど激しいものだったというとわかりやすいかもしれません。テナントさん、管理会社さん、我々一丸となって早期の復旧に尽力しました。また、川崎でもアパレル企業のオープンの時、お店に棚だし等の応援にもでかけました。こういった経験も多くのテナント企業さんとの間に信頼関係を構築できた要因だと感じています。

―― 信頼関係がビジネスでは一番大切な要素ですね。
永井 私たちはあくまでも裏方という立場でしたが、以前、自動倉庫の開発を担当していた時、テナントニーズ、ゼネコンの方針、マテハン機器メーカーの方針が激しくぶつかったことがありました。何度も暗礁に乗り上げながらも諦めず、調整を図り、無事完成まで漕ぎ着けた時は嬉しかったですね。最後に、喧々諤々と協議を重ねた当事者の一人から、「花道を飾ることができた。ありがとう」と言葉をもらった時は感無量でした。

―― さて、ここ1~2年が勝負というまさに佳境を迎えている業界ですが、それを乗り切るお二人の健康法とは。
中嶋 歩くことですね。毎日、1万9000歩(約14㎞前後)、歩くことにしています。これは、社内で歩数を競うゲームを行っており、健康には非常によいですね。体脂肪率も22%から17%まで下がりました。そのほか、ヨガも行っており、健康には何の不安もありません。付き合いが多いので、酒の席も多いのですが、適度に嗜んでいます。

永井 リフレッシュするために、月に1回地方の温泉通いをしています。併せて神社仏閣の散策も楽しいですね。現地で頂くローカルフードもエネルギーになります。

―― 読者にメッセージを。
永井 私たちは、あくまでも顧客フォーカスに徹し、テナント企業さんの「こんなオペレーションをしたい」を出来る限り実現できるよう計画段階から踏込み、スペースを作り上げていきたいと思っています。まだまだテナントさんから教えを請うことも大変多く、それをどう反映させて行くか、情報を収集・ストックし、フィードバックする、日々その繰り返しではあります。どんどん変化していく物流を不動産事業という側面から最大限サポートできるよう「こんなオペレーションをしたい」というテナント企業さんの挑戦についていけるよう努力しています。法令や諸基準等に加え、さまざまな制約がありますので簡単ではありませんが、我々の挑戦は「さらに1歩先を行く提案」をすることだと思っています。

<中嶋CEO(左)と永井執行役員(右)>
中嶋CEO(左)と永井執行役員(右)

■プロフィール
中嶋康雄(なかしまやすお) 代表取締役 兼CEO
ラサールの日本における業務全般の執行に関する責任を担う。日本の物流不動産投資業界のパイオニア的存在。
1991年、リクルートコスモス(現コスモスイニシア)入社。
2000年、NewYorkを拠点とするPPT(Public Private Partnership:官民パートナーシップ)事業開発を専門とするデベロッパー、プロスペクト・デベロップメント・コーポレーションを共同設立。
2002年、ラサールインベストメントメントマネージメント(現 ラサール不動産投資顧問)入社。
2003年より、物流不動産投資に従事。2009年より現職。一級建築士。

永井まり(ながいまり) 執行役員
ラサールの日本における物流不動産部門の総責任者。
2003年、ザイマックスアルファ入社。プロパティーマネージャーとしてオフィス、商業を中心とした物件の管理運営、不動産の資産価値向上に貢献。
2008年、ラサールインベストメントマネージメント(現 ラサール不動産投資顧問)入社。
以降、物流不動産投資の中核メンバーとして、数多くの物流不動産の開発・投資案件を手掛ける。冷凍冷蔵倉庫、自動倉庫など特殊な倉庫の開発、また大手デベロッパーとの大規模共同投資事業など、ラサールの物流不動産投資事業の拡大に大きく貢献。2017年より現職。
ラサールは、世界中の機関や個人投資家の資金管理を行うマネーマネージャーとして様々なセクター・物件へ投資を行う。物流不動産は国内不動産投資の中核であり、2003年より大型の開発ファンド・LaSalle Japan Logistics Fundシリーズを運用。また、2016年にはJ-REIT・ラサール ロジポートREITを運用。

■ラサールロジポートREIT
http://lasalle-logiport.com/

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