道路貨物運送業者/2011年以降、6年連続増収

2017年06月22日 

帝国データバンクは6月22日、道路貨物運送業者の経営実態調査を発表した。

それによると、2007年~2016年の年収入高が比較可能な1万6860社を対象に各年の年収入高合計をみると、2016年は約20兆760億円。2007年比で6.0%の増加となった。

<総収入高の推移(2007年~2016年)>
総収入高の推移(2007年~2016年)

総収入高の推移(2007年~2016年)

リーマン・ショックの影響などで2009年から2年連続で減収となっていたが、2010年の約17兆6985億円を底に、2011年以降はネット通販の拡大による小口貨物個数の増加によって6年連続で増収となっている。

2016年の年収入高約20兆760億円は前年比0.8%増(1618億円)の微増となった。このうち、年収入高が増収となったのは、5893社(構成比35.0%)、減収は 5288社(31.4%)、横ばいとなったのは5679社(33.7%)、増収企業が最も多い結果だった。

損益動向では、2015年・2016年の当期純損益が比較可能な7665社をみると、2016年は6902社が黒字で全体の9割を占め、前年比 2.5ポイントの増加。

年商規模別に社数の分布をみると、「500億円以上」は35社(構成比0.2%)、「100億~500億円未満」は166社(1.0%)、「50億~100億円未満」は233社(1.4%)、「10億~50億円未満」は2250社(13.3%)となった。年商の規模が小さくなるに従って社数も増え、84.1%が「1億~10億円未満」の1万4176社で最も多い。

年収入高合計を年商規模別にみると、10億円以上の企業は2684社(構成比15.9%)で、その年収入高合計は約15兆3959億円(総収入高のうち76.7%)をあげている。

このうち「500億円以上」の35社だけで約5兆9988億円(総収入高のうち29.9%)を占め、総収入高に占める割合は最も高い。

業歴別に社数の分布をみると、「100年以上」は121社(構成比 0.7%)、「50~100年未満」は6278社(37.2%)、「30~50 年未満」は6407社(38.0%)、「10~30年未満」は 4054社(24.0%)となった。

業歴30年以上の社数は全体の75.9%を占めている。

業績をみると、増収企業の割合は「30~50年未満」に属する2152社(36.5%)が最も高く、減収企業は「50~100年未満」に属する2167社(41.0%)が最も高い。

従業員数が判明した1万6817社をみると、「1000人以上」は62社(構成比 0.4%)、「100~1000人未満」は 1564社(9.3%)、「10~100人未満」は1万3623社(81.0%)、「1~10 人未満」は1568社(9.3%)であった。

従業員数が100人未満の社数は全体の90.3%を占め、小規模事業者の割合が高い。

まとめとして、2007年~2016年の年収入高が比較可能な1万6860社を対象に、国内道路貨物運送業者の各年の年収入高合計をみると、2016年は約20兆760億円(前年比1618億円の0.8%増)。微増となったが、2010年の約17兆6985億円を底に、ネット通販の拡大による小口貨物個数の増加や建設資材をはじめとする荷動きの活発化などで 2011年以降は増収が続いている。

アウトソーシング化が進むなか、物流業界では運送手配から在庫管理、流通加工や運送の管理まで一括で請負う3PL(third party logistics)事業が大手運送業者を中心に推進されている。

こうした利便性向上から、物流のアウトソーシング化がさらに進むことが想定されるため、今後も増収基調での推移が予想される。

だが、配達量の多さなどからトラック運転手が不足し、人件費が高騰。宅配業者はかつてない厳しい経営環境に置かれ、宅配便最大手のヤマト運輸は、10月1日から27年ぶりの運賃全面改定を発表した。

同社以外も日本通運が運賃の値上げを検討するなか、アパレルやビール業界など、各業界は単価の安い運送業者への鞍替えや、他社との共同輸送などを図ることで運送のコストを下げる工夫に乗り出す動きがみられる。今後は、運賃を値上げするなかで顧客を失わずに、いかに業績を維持するかが注目される。

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