宅配ボックス実証実験/再配達率49%が8%に激減

2017年06月08日 

パナソニック・エコソリューションズは6月8日、福井県あわら市在住の共働き世帯を対象とした「宅配ボックス実証実験」の最終結果が、2016年12月~2017年3月末の期間、宅配ボックス設置により再配達率が49%から4か月平均で8%に減少したと発表した。

<宅配ボックス設置前と設置後12月~3月>
宅配ボックス設置前と設置後12月~3月

約222.9時間の労働時間の削減、約465.9kgのCO2削減となった。

宅配ボックスが稼動しなかった理由として、「冷蔵・冷凍」、「大きすぎて入らなかった」などの理由があり、今後そのような対応製品の検討が必要なことも見えてきた。

再配達のさらなる削減に必要な点として、「宅配ボックス設置有無の表示検討」、「冷蔵・冷凍やサイズの大きな郵便物などニーズに対する宅配ボックスの幅広い対応」を挙げている。

<住民の荷物受取に対するストレスの変化 宅配ボックス設置前と設置後>
住民の荷物受取に対するストレスの変化 宅配ボックス設置前と設置後

住民の荷物受取に対するストレスの変化(宅配ボックス設置103世帯対象)については、「かなり改善された」、「やや改善された」で94%がストレスが改善されたとしている。

住民の宅配ボックスをつけた感想と生活の変化では、「ネット通販利用者は再配達がなく最高の商品です」、「荷物が届くのはたまにですが、核家族には大変助かります。長く大切に使わせていただきます」、「運よく選ばれ、実験に参加できてすごく良かったし、助かりました。募集時にはそれほど再配達問題が取り上げられていませんでしたが、最近では毎日のようにニュースで取り上げられ、あわら市って最先端を行っていたのかなと思ったりもします。設置してから時間指定を全くしていません」、「宅配便をスムーズに受け取れるようになり、大変感謝しております。知人にPRします」等の感想があった。

総評として、あわら市は「社会問題化しつつある課題の解決に、全国の自治体に先駆けて関わることができたことは大変有意義であったと思う」、とし、パナソニックは「繁忙期のみならず、約半年間にわたっての定点観測においても再配達率8%という劇的な結果が出たことにおいて、再配達解消の一つの商材であることが実証できたと考えている」としている。

流通経済大学の矢野教授(あわら市暮らしやすいまち推進協議会顧問)は、「戸建用の宅配ボックスは、社会経済的損失を小さくし、宅配便事業者における効率的なサービスの提供を実現するとともに、受け取り側の利用者にとって利便性を高める優しい仕組みであり、宅配サービスを持続していくための重要なインフラになると考えている。戸建用の宅配ボックスが、普及していくことが必要であり、そのための仕組みづくりが課題といえる」としている。

パナソニックでは、宅配ボックスが稼働できなかった理由として「複数個受取りできない」、「大きすぎて入らない」、「冷蔵が入らない」等、非常に貴重な意見を頂戴した。今後重要な技術開発課題であると受け止めている。

荷物受取に対するストレスの変化において共働きで受け取れないといった物理的な不満だけでなく、心理的な不満が今回明確になったことにより、この宅配ボックスが再配達を解消するだけでなく、顧客の不満解消にもつながる商品であると再認識した、としている。

実証実験は、2016年10月18日よりモニター募集を開始。11月中にモニターを106世帯に決定し、宅配ボックスを設置した。12月1日より実証実験を開始。12月1日~2017年3月31日の4か月間の宅配便の配達状況についてモニター世帯にアンケート調査を実施し、回答してもらった延べ417世帯のデータを集計したもの。

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