日通総研/全輸送機関で輸送量の前年度水準割れは避けられない

2014年09月17日 

日通総合研究所は9月16日、「2014年度の経済と貨物輸送の見通し」(改訂)を公表した。

2014年度の国内貨物輸送は、前年度に発生した駆け込み需要の反動に加え、消費増税に伴う国内民需の減退などが輸送量を大きく下押しすることになるだろうとしている。

消費関連貨物は、日用品や食料工業品などを中心に2.8%減と低迷するものとみられる。建設関連貨物も、民間住宅や非住宅部門の建設需要の落ち込みに加え、公共投資も弱含むことなどから4%台のマイナスとなると予測。

これに対し、生産関連貨物は、自動車の需要が落ち込むほか、鉄鋼や化学工業品にも小幅ながら減少が見込まれる一方、堅調な設備投資などを受けて一般機械はプラスを維持し、紙・パルプにも若干の増加が期待できることなどから、0.3%増と小幅ながらプラスの伸びになるものとみている。

総輸送量は2.3%減となり、全輸送機関で輸送量の前年度水準割れは避けられないとしている。

輸送機関別にみると、JRコンテナは、自動車からの需要のシフトの動きが続く一方、反動減などもあって横ばいで推移。JR車扱は、石油の需要減に加え、セメント・石灰石も頭打ちとなるため8%台の減少が予測され、その結果、JR全体では2.6%減と3年ぶりのマイナスに転じるとしている。

その他の鉄道は、石油需要の減退、セメントや石灰石の減少などにより、6.0%減と低調な推移が見込まれる。

営業用自動車は、生産関連貨物には小幅な伸びが期待できるものの、消費関連、建設関連貨物の停滞を受けて1.6%減になるものとみられる。自家用自動車は、全品類で水面下の推移が避けられないことから、3.8%減と低迷。

内航海運は、主力である石油製品に減少が見込まれるほか、建設関連貨物の不調もあって1.8%減となろう。国内航空は、景気の減速を受けて0.4%減と3年ぶりのマイナスに転じるとみている。

2014年度の国際貨物輸送では、外貿コンテナ貨物(主要9港)の輸出は、足元増加基調で推移しているものの、当初期待していたほどの勢いはない。2014年度に入り、前年度下期に好調であった一般機械、化成品は増勢が鈍化しており、自動車部品も米国向けは堅調であるがアジア向け、欧州向けは弱含んでいる。

このため、4~6月期は1%台半ば程度の低い伸びにとどまったものとみられる。世界経済が緩やかながらも拡大することから、一般機械、電気機械、化成品などを中心に7~9月期以降もプラス成長となりそうだが、自動車部品をはじめとして生産拠点の海外シフトや現地調達の進行が下押し要因となることから、年度全体では2.1%の増加としている。

輸入については、設備投資の堅実さを反映して機械機器類が堅調な荷動きとなったこともあり、4~6月期は増加を維持した模様。

7~9月期以降は消費マインドの冷え込みの影響を受け、食料品、衣料品などの消費財は弱含む展開が続くものとみられ、また機械機器類も下期はペースダウンする懸念があることから、年度全体では1.2%の減少になるものと見込んでいる。

国際航空貨物の輸出は、1~3月期に9.2%増と旺盛な荷動きとなったのに続き、需要拡大を背景に4~6月期も7.3%増と好調に推移している。さらに7~9月期についても、一般機械、化成品が堅調なことに加え自動車部品の盛り上がりもあり、10%近い増加を期待。

一般機械、化成品、自動車部品の勢いも上期でほぼ一巡することから、下期は失速する可能性が高い。電子部品も増加基調は維持するものの高い伸びは見込めないことから、年度全体では5.0%の増加になるものと予測。

輸入は、消費増税前の駆け込み需要の効果もあって前年度1~3月期はプラスに転じたが、2014年度に入り再びマイナス基調での展開となっている。電子部品などの機械機器類は増勢を堅持する一方で、消費財が全般的に低調。

下期も、個人消費の落ち込みに伴い主力の消費財は前年度割れが続くものとみられることから、年度全体では4.6%の減少となると予測している。

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